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茶の精神 の商品レビュー

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裏千家の十五代家元・…

裏千家の十五代家元・千玄室が著した、茶の湯の究極の理想を追究する一冊。わりと難解な内容ですが、順を追って読んでいくと、茶の湯の成り立ちなどがけっこう興味深かったです。

文庫OFF

2024/09/25

千玄室が半世紀くらい前に書いた本。精神性を重視する茶道だったり、点前茶道とか呼ばれるものの理想とするものがわかる。 子どもがおままごとをするところから考察し、人間は他界的世界に遊ぶものだとする。その後陸羽の茶経の話で、精神性とか文学性の高い茶について解説。平安時代の日本に茶が伝来...

千玄室が半世紀くらい前に書いた本。精神性を重視する茶道だったり、点前茶道とか呼ばれるものの理想とするものがわかる。 子どもがおままごとをするところから考察し、人間は他界的世界に遊ぶものだとする。その後陸羽の茶経の話で、精神性とか文学性の高い茶について解説。平安時代の日本に茶が伝来しこれは陸羽の考えを受け継いでいたが、その後日本的なるものへ屈折し、次に茶が表に出てくるのは栄西の喫茶養生記で、そこには飲茶の効用もいう物質的な話しかなかった。鎌倉時代から室町にかけて闘茶など遊びが流行り、2つの茶の系統として図式化される。これを宗教的な世界観が止揚したとし、それをなしたのが珠光、紹鴎、利休だとする。そして手前作法で、心入の深さが動作に表現され、無に徹することに理想を高め動作に託して無我の境にはいることを利休は目標としたとしている。こういった大きな視点での茶の歴史理解は面白い。 南方録の影響がかなり強いというか考えの基になっているように見えて、もしこれが偽書であるとする説に則るなら裏千家は言ってみれば立花実山流となってしまうんじゃないか。

Posted byブクログ

2023/06/29

お茶素人が、千利休の仕事を負うだけでは、茶の精神を把握することは難しい。ゆえに著者は、千利休から遥か遡って、茶と世界・社会との関係を起点から易しく紐解いていく名著。 貴族的なだけでもなく、武士的なだけでもなく、宗教的な意味合いを深く帯びたからこその茶道の根幹部分をのぞきみる。

Posted byブクログ