言葉からの触手 新装版 の商品レビュー
すんなりと分かってとは言えない。 行きつ戻りつ読んだ。 読み続けると不意に「受け取れる」感覚になる瞬間がある。 分かろう、カケラでも掴みたいと手を伸ばし続けたからこそ得られる瞬間なんじゃないか。 そういう読書もいい。
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知の巨人・吉本隆明に挑戦。以前読んだ『真贋』(2007)は易しすぎたので、今回は89年の著作を。「生命が現在と出あう境界の周辺をめぐって分析」された断片による本書は、哲学的示唆に飛んでいてまあ端的に言うと高尚でわたしには難解と感じられる部分が多い。でも時折わたしにも、非常に響く箇...
知の巨人・吉本隆明に挑戦。以前読んだ『真贋』(2007)は易しすぎたので、今回は89年の著作を。「生命が現在と出あう境界の周辺をめぐって分析」された断片による本書は、哲学的示唆に飛んでいてまあ端的に言うと高尚でわたしには難解と感じられる部分が多い。でも時折わたしにも、非常に響く箇所があったり、あと言葉に対して鋭い感性を持った文章なので音楽的に読むことができたり、で結構楽しめました。彼の人間や社会に対する深い考察をもっともっと理解出来るようになりたい。でも思想はもちろんなんだけれども、文章や論理の運び方が非常に魅力的だと感じた。精神の空腹に対する考察から、精神が病むとはどういうことか、という話に及び、「こんなふうにして、人間は草木や虫や獣の世界へゆく入り口をさがしているのだと思える」にまでいく感性、見ようによってはどうなんだろうという発言だけど、憎めないのは人徳ですか。むしろ詩的な表現に感心してしまう。あと最後になって突然語りかけるような口調になったり、「これが酸鼻と感じられない思想は遠慮などいらないから死ぬがいいのだ」とか、抽象的な話からいきなり毒を吐いてみたり、とにかく上手い。文章とは思索の言語化という部分もあるけれど、誰かに向かって語りかけるものでもあり、語りかけるという点において吉本隆明は卓越している。この難解さを以ても、日本の思想界に君臨する巨人として多くの人が彼の著書に惹き付けられてしまうのは、語りの上手さによる部分が大きいのではないでしょうか。もっと吉本隆明を読みたい。
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難解すぎる これはきっともっともっといろいろな体験をしてから読むべきもの なのかもしれない。 いつか私も理解できる日が来ると願って。
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