非線形構造モデルの動的応答と安定性 の商品レビュー
振動と座屈。 大学院の「知能機能システム特別研究Ⅰ」の参考書として使用。座屈を伴いながら振動するような、大振幅の振動現象と解析手法を取り上げる、貴重な入門書である。 振幅を微小と仮定しないリアルな振動の理解が進む。伸縮する棒を使ったシンプルな構造モデルを一貫して例題に用い、解析...
振動と座屈。 大学院の「知能機能システム特別研究Ⅰ」の参考書として使用。座屈を伴いながら振動するような、大振幅の振動現象と解析手法を取り上げる、貴重な入門書である。 振幅を微小と仮定しないリアルな振動の理解が進む。伸縮する棒を使ったシンプルな構造モデルを一貫して例題に用い、解析しやすく統一的にも理解しやすく工夫されている。計算結果は、時刻歴波形やスペクトル、荷重-変位線図、ポテンシャル曲面など複数の表現がされ多面的に挙動をつかむことができる。 動的座屈は小さな振動でも座屈が発生する危険現象であり名著も多いものの、初学者には難しくハードルが高く感じられる。それに対し本書は、専門用語をひとつひとつ丁寧に解説するところから始まり、入門と基礎固めに適している。一方で塑性を考慮した、発展的な内容も含まれている。 基礎に重点を置き、第1章が半分近くを占める。様々な計算法に触れられて良いのだが、図解が少なくそれぞれの計算原理がわかりにくく感じる。この点では、入門というよりは基礎をまとめて整理するのに役立つといったところだろうか。 目次 1.基礎と計算法 2.幾何学的非線形性を考慮した弾性系の動的応答 3.非保存系の安定性 4.弾塑性モデルの応答の性質 5.まとめ
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