1,800円以上の注文で送料無料

コンクールでお会いしましょう の商品レビュー

3

3件のお客様レビュー

  1. 5つ

    0

  2. 4つ

    0

  3. 3つ

    3

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2022/09/12

音楽コンクールの歴史から、舞台裏、問題点までをわかりやすく解説している。数々の音楽コンクール審査員を務めてきた著者ならではの、当事者意識が感じられる。 本書は、2003年に著者が講演した、NHKの人間講座「国際コンクールの光と影」の放送用テキストの草稿に加筆・改訂した本なので、...

音楽コンクールの歴史から、舞台裏、問題点までをわかりやすく解説している。数々の音楽コンクール審査員を務めてきた著者ならではの、当事者意識が感じられる。 本書は、2003年に著者が講演した、NHKの人間講座「国際コンクールの光と影」の放送用テキストの草稿に加筆・改訂した本なので、著者の他の著作に比べ、万人向けの内容である。読者を選ばず、多くの人が楽しめる。入門者や門外漢にとっては、とっつきやすいだろう。 その反面、「チャイコフスキー・コンクール―ピアニストが聴く現代」 や、「ピアニストという蛮族がいる」 の様な「濃い内容」ではないので、これらを読んだことのあるクラシック音楽通には刺激が足りなく、物足りないと感じるかもしれない。 サブタイトルに「名演に飽きた時代の原点」とあるが、それは「名演に飽きたなら、コンクールに行ってみれば、好き嫌いや、感動の感じ方を改めて考えさせられるので面白いですよ」という著作からのお誘いである。引いては、それがメインタイトルの「コンクールでお会いしましょう」の意味であろう。 本書を読んで、私が一つ違和感を感じたこと。 名演を求めて演奏会に通い、CDを聴き比べて、名演にすっかり慣れてしまうと、「名演」のさまざまな意匠にすら飽きてしまう。そして、音楽以外の「プラスアルファ」の刺激が必要となる。 著者は、映画「シャイン」のモデルとなったピアニスト、デヴィッド・ヘルフゴットや、NHKのドキュメントで一躍人気者となったフジ子・ヘミングらのフィーバー現象を例に、「プラスアルファ」は簡単に感動できる「人間ドラマ」である、と分析している。 しかし、私は違うと思う。名演に慣れる可能性があるのは、名演を数多く聴いてきたコアなクラシック音楽ファンだけである。 フジ子らのフィーバー振りは、世の中の大多数派である、クラシック音楽ファン以外の人達(クラシック音楽の名演など聴いたことがない)が、CDを買ったから多く売れただけであって、世の中の少数派であるクラシック音楽ファン(名演をたくさん聴いている)の多くは、買わなかったのではないだろうか。クラシック音楽のコアなファンであればあるほど、演奏を重視し、音楽そのもの以外の要素は排除したがるものだからである。だから、名演に飽きた人達は、いくら「プラスアルファ」の刺激があっても、音楽そのものが素晴らしくない限り、かえって軽視してしまうだろう。 つまり、「名演に飽きた人たち(マニア層)」と、「プラスアルファを加えた音楽家のフィーバー(一般層)」は、同列で考えるものではなく、まったく別次元の話であるように思う。

Posted byブクログ

2009/10/04

日本を代表するピアニスト、中村紘子さんが著者。敷居が高いと思いがちなコンクールの舞台裏、審査員の立場からのコメント等、ピアノ好きの方なら楽しみながら読める一冊。

Posted byブクログ

2009/10/04

今年1冊目。 これまであまり「読む」ことをしてこなかった私にとってはとても読みやすい本だった。 コンクールって見てるしか興味がなかったけど、これからはもっと面白く見れそう。

Posted byブクログ