薔薇と野獣 の商品レビュー

フランチェスカ・リア・ブロック(著者),金原瑞人(訳者),小川美紀(訳者)

2023/11/30

白雪姫、親指姫、シンデレラ、眠れる森の美女、赤ずきん、白ばら赤ばら、青ひげ、美女と野獣、雪の女王。
小さい頃から親しんだお話が現代を舞台にしたファンタジーに。
少女たちは儚くて夢みがち。
対して男性は肉感的でリアル。
少女たちが彼と出会った時、彼女たちの世界が変化して。
童話の持つ毒を現代に置き直していくような。
グロテスクだったり不穏だったり、どこか倉橋由美子を思わせるんだけど、ずっと洗練されてて読み終わったときの余韻がキリリとする。
限りなく透明に近いなにか。
不思議なお話たちだった。

2018/12/21

「薔薇」の文章がとても美しくて気に入ったのだけれど、何の話が元か分からない……。調べてみたところ、
グリム童話の「雪白と薔薇紅」または「白薔薇と紅薔薇」と呼ばれる話らしいので、そちらも読んでみます。

2012/06/26

う〜ん。面白いことには面白い。なのに、なぜだろうか。最後まで読めなかった。『ひかりのあめ』で感じた続きが気になる、という感じがなかった。もう少し経ったらまた読んでみようかな。

2013/07/18

あたしみたいな子は、もがいて死ぬか、もがいて生きていくか、そのどちらかでないと人から認めてもらえない……『タイニー（親指姫）』

白雪姫は王子の手をとることなく７人の小人達と生きる道を選び、オーロラ姫はヘロインの針を腕に刺して酩酊、義父に襲われた赤ずきんは砂漠に住む祖母とともに銃をとり戦い、青ひげ公にさらわれた少女は自分ひとりの力で逃げ延びる。

──残酷な結末で幕を閉じる数々の童話を、現代のLAを舞台に奔放な想像力でリリカルに、ポエティックに語り直す9編。

2011/02/23

有名童話９篇を下敷きにした９つの物語。

少女は多くの少女たちに埋もれる事を恐れている。
多くの少女たちではない、私という少女、あなたという少女になりたいのだ。「自分たちにも物語がある」と言った少女がいた。
その言葉に、心と体が伴わない少女の抱く違和感を感じる。
人生の物語はハッピーエンドがいい。

眠り姫の「チャーム」、白薔薇と紅薔薇の「薔薇」、美女と野獣の「野獣」が好き。
白薔薇と紅薔薇は元の物語を知らないので、読んでみたいと思った。

2011/02/16

童話をモチーフに現代の少女事情を絡めた短編集。
こういったスタイルのものは多いが、薬物注射中毒や家庭内暴力・若さゆえの恋や衝動、家族の呪縛などを童話と絡め、しかも読後感悪くない作品はなかなか無い。少女視点・少女の問題とした捉え方だからかも。アメリカで少女達の多大な信頼と評価を受けている作家というのも頷ける。思春期に読むとかなり心に響くと思う。もちろん大人が読んでもOK.

2009/12/06

フランチェスカ・リア ブロックと童話が凄く合ってました。
この人の描く少女は、生々しくて、切ないですね。

2009/10/04

この透明感がたまらない！！
一度この人の作品読んだらクセになるよこの朝靄みたいな透明感＾＾＾＾＾＾
たまに読むからいい透明感。ずっと読んでたらなんか発狂しちゃいそう。←

2011/07/16

好きな人は好きな世界だろうなあ。私はちょっと・・・・。リリカル、とゆーのはわかる。すっごい濃い原色バリバリでガンガン音楽が鳴ってるイメージ。童話のかわいらしさグロさ現実感がごちゃごちゃになって突き上がっていってる。

2009/10/04

童話を新しい解釈にしなおした作品。『美女と野獣』はちょっとせつなかった。愛し合う話も多いけど、どうにもならなくなって心が離れたりする様を描くのも素晴らしい。みんなが知ってるお話だけに別の解釈になっているのが新鮮ですね。何回も読み返したい一作。まださらっとしか読んでないので。