山口昌男著作集(5) の商品レビュー
本巻の半分を占める「文化と両義性」(1975)はずっと前に講談社学術文庫で読んだのだが、ここでの論述はかなり抽象的で難解である。相変わらず博覧強記の山口さんは様々な文献に言及しているが、私が未読の本は読んでおきたくなってくる。山口さんは凄まじいほどの記憶力を持っていたらしい。も...
本巻の半分を占める「文化と両義性」(1975)はずっと前に講談社学術文庫で読んだのだが、ここでの論述はかなり抽象的で難解である。相変わらず博覧強記の山口さんは様々な文献に言及しているが、私が未読の本は読んでおきたくなってくる。山口さんは凄まじいほどの記憶力を持っていたらしい。もし私がもういくらか良い記憶力を持っていたら、結構な知識を蓄えた知識人になれたのだろうが。 上記の著作以外の諸論文も、ほとんどは既読のものだったが、相変わらず刺激に満ちており2度読んでも改めて興味を引きつけられるのである。
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『文化と両義性』(1975年、岩波書店)のほか、『知の祝祭』(青土社)や『文化の詩学』(岩波書店)などに収められた論文などが含まれています。 『文化と両義性』は、「中心」と「周縁」をキー・ワードとして駆使しつつさまざまな文化現象についての考察を展開してきた著者の理論的な基礎が語...
『文化と両義性』(1975年、岩波書店)のほか、『知の祝祭』(青土社)や『文化の詩学』(岩波書店)などに収められた論文などが含まれています。 『文化と両義性』は、「中心」と「周縁」をキー・ワードとして駆使しつつさまざまな文化現象についての考察を展開してきた著者の理論的な基礎が語られている本です。著者はまず、ケネス・バーグの神話研究にもとづいて『風土記』の物語を読み解くことで、構造論的な分析の有効性を示します。そのうえで、バークが「生」(エロス)と「死」(タナトス)の弁証法という考えかたによって、対立する関係項の「争闘」が文化的な秩序の創造的破壊をおこなうとともに、あらたな生命を吹き込むことに目を向けていたことが論じられます。 つづいて著者は、シュッツやバーガー=ルックマンといった人びとによって推し進められた現象学的社会学の議論を考察の対象にとりあげます。とりわけ著者は、これらの現象学にもとづく議論が、「現実」の重層的なありかたを解き明かそうとしていたことに着目し、意識の地平において「中心的」とされるトピックと「周縁的」とされるトピックとのあいだに成立するダイナミズムが、これまでとは異なる「現実」のあらたな位相へと超越することを可能にしているということが語られます。 さらに、「中心」と「周縁」というテーマをめぐる著者の基本的な考えかたにもとづいて、詩的言語の意義などについての考察が展開されています。
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[ 内容 ] [ 目次 ] 文化と両義性 天皇制の神話=演劇論的構造 制外者の神話論的起源 文化における中心と周縁 文化記号論研究における「異化」の概念 日本文化における展示の詩学 [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ...
[ 内容 ] [ 目次 ] 文化と両義性 天皇制の神話=演劇論的構造 制外者の神話論的起源 文化における中心と周縁 文化記号論研究における「異化」の概念 日本文化における展示の詩学 [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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