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昭和の作曲家たち の商品レビュー

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2013/06/05

どうして作曲家や演奏家が戦争協力をしたのか、という問題提起を発する。楽団スルヤなど1920年代後半から30年代にかけて作曲家の組織が作られる。また山田耕筰、信時潔をはじめとする楽壇を創成してきた第一世代の作曲家の批判として日本的音楽か、国民音楽かという議論も活発になる。しかし、日...

どうして作曲家や演奏家が戦争協力をしたのか、という問題提起を発する。楽団スルヤなど1920年代後半から30年代にかけて作曲家の組織が作られる。また山田耕筰、信時潔をはじめとする楽壇を創成してきた第一世代の作曲家の批判として日本的音楽か、国民音楽かという議論も活発になる。しかし、日中戦争、太平洋戦争になるにしたがい、音楽をはじめとする芸術方面からも戦争体制を支持していかなければならなくなる。著者の秋山氏は戦後存命中の作曲家や評論家等になぜ体制を支持したのかということをインタビューしていく。そのインタビューを見ている限り、戦争体制を支持しているつもりではなかったけれども、生活のためにはどうしてもそうせざるを得なかったという作曲家も多い。なぜ戦争体制を支持せざるを得なかったのかという疑問もであるが、戦争を支持せざるを得なかったという状況があり、その状況次第で平時では考えられないようなことをしてしまうということを十分に認識することが大切なのではないかと思う。

Posted byブクログ