祖父 谷崎潤一郎 の商品レビュー

渡辺たをり(著者)

孫である作者が回想す…

[文庫ＯＦＦ]

孫である作者が回想する、谷崎潤一郎との日々。少々、森鴎外と森茉莉を連想しました。

谷崎潤一郎の孫による…

[文庫ＯＦＦ]

谷崎潤一郎の孫による祖父の思い出。甘やかな世界です。

2022/07/30

谷崎潤一郎の評伝ですね。
著者の渡辺たをりさんは谷崎潤一郎の孫と捉えられていますが、谷崎潤一郎の後の妻になる松子の連れ子の娘さんなので血の繋がりは無いようですね。
谷崎潤一郎の生活が複雑で松子さんと妹の重子さん、松子さんの連れ子の渡辺清治の妻の千萬子さんの三人が谷崎潤一郎の作品に大きく影響力を及ぼした事がわかる作品ですね。
たをりさんも、谷崎文学に寄与したことが窺い知れます。
たをりさんの修士論文を基礎に、母親の千萬子さんと谷崎潤一郎の往復書簡を活用し、たをりさんの思いでも加味しながら晩年の谷崎潤一郎を浮かび上がらせています。
「短い間の知らないうちに、いろんな物を私の中に遺して行ってくれたおじいちゃんが、もう少し、ほんの少し待っていてくれたら、母に代わって今度は私があれもこれも話が聞けたのに、と残念でならない。」と最後に述懐されていますように、たをりさんでなければ書けない作品ですね。
谷崎文学をふれる縁になれような作品だと思います。

2019/01/05

「元になった修士論文は…およそ23年から25年前に書いたものが中心になっている。今回…随分と手直しはさせて貰ったが、基本的には過去に書いた文章をそのまま残した。改めて読んでみると、意外に大胆に核心に触れている箇所もあって自分でもハラハラするのだが、それも当時の私が考えたこととして残させてもらった。」著者あとがきより

著者・渡辺たおりさんの母・渡辺千萬子さんの「谷崎潤一郎＝渡辺千萬子 往復書簡集」とこの本とをあわせ読むことによって大文豪の創作周辺事情がより鮮やかにそしてさらに立体的に見えてくる。そういう意味でよくぞ(上記の二冊を)出版していただいたことよと思う。

2012/10/20

晩年の谷崎潤一郎氏の様子が分かる。
けど孫が子供の時の記憶からの内容なので、物足りなかったかな。
それにしても谷崎さんは自分から複雑な家庭を作ってたのですね。