自動改札のひみつ の商品レビュー
書名の通り、自動改札の役割から始まって、歴史、構造、機能、外国の自動改札機との違い等々について書かれています。 まったく新しいシステムで多人数が使用するものなので、事前に使用感のテストを実施しています。たとえば、1970年に国立駅で磁気カードによるフィールド試験を行っています...
書名の通り、自動改札の役割から始まって、歴史、構造、機能、外国の自動改札機との違い等々について書かれています。 まったく新しいシステムで多人数が使用するものなので、事前に使用感のテストを実施しています。たとえば、1970年に国立駅で磁気カードによるフィールド試験を行っています。そのアンケート結果は次の通りです。 ・定期券が手許から離れるので不安である ・新しい機械にはどうも抵抗を感ずる ・扉がいつ閉まるか不安に思う ・ブザーが急に鳴り出しそうで嫌だ ・自動改札はまだまだ改良すべき点が多い ・改札はやはり人間に限る 被験者に学生420名を使ったのが忌憚ない意見を収集できたポイントかもしれません。 ★★★ 外国に行くと、ターンバー形式の改札を良く見るのですが、日本で何故ターンバー形式がないかというと、処理速度の関係だそうです。ターンバー形式は40人/分なのに対して、日本のドア方式は70人/分の処理ができるそうで、ラッシュ時は55人/分位の人が流れるのでドア式しか選べないとか。なるほどです。 ★★★ 処理速度でもう一つ面白かったのは、判定スピードの克服の話です。 改札をターンバー形式からドア形式に変更することで物理的な速度は対応できたのですが、なんと、切符の内容を判定するプログラムの処理速度が当時のマイクロ・エレクトロニクスの技術ではどうしても、人の歩行速度である1.2m/sより速くできなかったんだそうです。 で、JRはどうしたかというと、な、な、なんと、自動改札機ではサンプリング・チェックを行って、それを補足するために駅員が改札口に立って両方の通路を通る旅客の乗車券を首を左右に振りながら目視でチェックしていたんだそうです。 ★★★ その他にもキセル(竹の管の両端に金属製の雁首と吸い口がついていることから、金は入場と出場の近辺だけという符合)と呼ばれる不正乗車についてと自動改札での対応について書かれています。 なんでも、キセルのパターンには50通りもあるそうで、それを入場記録(記録の有り無しや、入場した時刻など)と、出場情報を比べて判定する方法が書いてありました。 全てのキセルパターンには対応できていないそうです。また、不正乗車には機械化(自動判定)だけでは難しいところがあって、人の判定をどう入れるのかという話も参考になりました。 (この本が出版された2005年の頃の話でしょうけれど) ということで中々面白かったですよ。Suicaの話も載っていますし、何ができていないと複雑になってしまうのかを考えるにも良い教材になると思いました。
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未購入。かつて学研の「ひみつシリーズ」という科学啓蒙マンガがあったのだが、それを思い出させるピュアなハート直撃のタイトル。これはマンガじゃないけどね。 でも、自動券売機、自動改札の歴史、その仕組み、不正防止、精度改善、速度向上などの課題へ取組、そして現在のICOCAとかICカード...
未購入。かつて学研の「ひみつシリーズ」という科学啓蒙マンガがあったのだが、それを思い出させるピュアなハート直撃のタイトル。これはマンガじゃないけどね。 でも、自動券売機、自動改札の歴史、その仕組み、不正防止、精度改善、速度向上などの課題へ取組、そして現在のICOCAとかICカード対応にいたるまで、自動改札マニア垂涎の内容となっております。次はゲートに挟まれのではと、いつもいつも心配でならない自動改札恐怖症の方も、ぜひ。
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