どこにもない短篇集 の商品レビュー
太宰的な不健康な繊細さは好きになれない。芥川のような客観主義に基づく暗さならいけるんだけれど。そんな自ら傷つきにいくようなことばかりしなくてもいいのにと思う。昨今言われる「鈍感力」からは程遠い感じだなぁ。ローズウッドの家具の話は好き。どこか大英帝国の香りがして、どこかほの暗く後ろ...
太宰的な不健康な繊細さは好きになれない。芥川のような客観主義に基づく暗さならいけるんだけれど。そんな自ら傷つきにいくようなことばかりしなくてもいいのにと思う。昨今言われる「鈍感力」からは程遠い感じだなぁ。ローズウッドの家具の話は好き。どこか大英帝国の香りがして、どこかほの暗く後ろめたい。
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読んでいてとてもミステリアスな気分になる本。1話1話がほんとに短い。彼女がアレルギーの原因だったのは読んでてドキッとした。
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これは何と言っていいのか…。不思議というか恐怖というか。 収録されている短篇一つ一つが、不思議で怖い。 意味もなくぽっかり開いた穴だとか、頭に×が見えるだとか、人間が固結びされているだとか、そういう何とも言えない話ばかりなのです。 この本は『現実と虚無の間にひそむ異空間』と表現...
これは何と言っていいのか…。不思議というか恐怖というか。 収録されている短篇一つ一つが、不思議で怖い。 意味もなくぽっかり開いた穴だとか、頭に×が見えるだとか、人間が固結びされているだとか、そういう何とも言えない話ばかりなのです。 この本は『現実と虚無の間にひそむ異空間』と表現されていますが、まさに“異空間”の話という感じ。 どこか、この世界から捻れた場所の話。時間や空間が、少しずつずれているような奇妙な印象を受けます。 ポーの恐怖小説をちらと垣間見るような、そんな薄ら寒さがある。 そして、途中途中も不思議で怖いのに、ラスト何行かで、またストンと落とされてしまう。 「そんな終わり方すんなよ!」って、取り残されたような気分になるんです。だから読み終わった後も、どうも気になる。 こういう世界があったら嫌だなぁ…怖いなぁ。 でも怖いもの見たさで、ちょっと覗いてみたくなるような世界なのかもしれない。 私は…嫌だけど…(笑)
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異空間の奇妙な小説ばかりを集めた内容。 「そんなバカなことあるわけないじゃん・・・」と思いつつもストーリーに引き込まれていきます。あっさりと一冊読みきってしまえます。お薦めです。 でも・・・原田氏の作品は、のほほんとしたエッセイが一番好きです
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