宮城谷昌光全集(第10巻) の商品レビュー
初めての中国歴史小説。面白い。 宮城谷昌光 晏子 (あんし) 中国春秋時代の歴史小説。斉の名臣 晏弱と晏嬰の物語。 1巻は 父 晏弱が主人公〜低迷期の斉国で 礼を武器に 成り上がっていく。晏弱の礼の政治は 儒教による国家成立や多民族統一に展開するのだろうか? わかりや...
初めての中国歴史小説。面白い。 宮城谷昌光 晏子 (あんし) 中国春秋時代の歴史小説。斉の名臣 晏弱と晏嬰の物語。 1巻は 父 晏弱が主人公〜低迷期の斉国で 礼を武器に 成り上がっていく。晏弱の礼の政治は 儒教による国家成立や多民族統一に展開するのだろうか? わかりやすい二項対立な設定。晏弱=善=容姿端麗、度胸あり、知あり。他の人物=悪=不細工、敵前逃亡、卑怯、嫌なやつ。 中国的な雰囲気を感じるのが、覇気や天の思想 *覇気=中国統一の野心も含めた 独立不羈の心理 *天の思想は、周王により定められた運命(行動や倫理感によって運命が変わることもある)思想 権力と正義の用い方は 参考になった *権力は 正義の名のもとに行われるべき *正義は 天(周王)にしたがうか、地(人民)にならうか いずれか *どちらにも正義があり、どちらにも正義がないとき、先に仕掛けた方が勝つ 覇気について *覇気=中国統一の野心も含めた 独立不羈の心理〜国によって覇気の種類、強弱が異なる *斉の覇気=桓公、管仲時代の過去の栄華を基礎とした独立心理 天の思想 *天が定めた運命を超えた 人の格 *運命を超える要素は、行動力、修養や道徳心 *ひとつの事象は〜陰陽を持っており、陰の面は見方によって、陽の面に変ずる〜凶も吉にかえることができる
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宮城谷作品を初めて読んだ。 晏子父子も良いけれど、父子を取り巻く登場人物も魅力的だった。特に晏弱との出会いによって成長する蔡朝・南郭偃がお気に入り。郤克や陳無宇、高固、高厚も良い。 上巻は父である晏弱の生涯が物語の中心だったので、父の死後、晏嬰がどのように活躍するのかが楽しみ。先が気になる。
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