ビルはなぜ建っているかなぜ壊れるか の商品レビュー
サルバドリーの「建築の構造」の翻訳者でもある、早稲田大学の先生が執筆された本。まえがきで、建築に関係のない一般の人に向けたガイドブックであると紹介してますが、どっこい、相当に中身の濃い「専門家を目指す人の入門書」ではないでしょうか。 その内容は多岐に渡り、様々な視点から建築の構...
サルバドリーの「建築の構造」の翻訳者でもある、早稲田大学の先生が執筆された本。まえがきで、建築に関係のない一般の人に向けたガイドブックであると紹介してますが、どっこい、相当に中身の濃い「専門家を目指す人の入門書」ではないでしょうか。 その内容は多岐に渡り、様々な視点から建築の構造のについて語られています。第1章、第2章あたりまでは、建築構造の紹介なので、先生の指す「一般の人」に向けて書かれているように思います。第3章以降は、材料力学、部材(骨組)力学、地盤・基礎構造と話が進みます。この辺りは、様々な材料や構造を次々と紹介したり、中には数式を使って説明を試みたりと、「理科系」でないと読み進めるのが難しくなっています。 中盤を読み進めた人(座学をこらえた人)へのご褒美でしょうか、第6章で、構造の意図が単純明快で、現存し、建築的に優れている、美しい建物をイラストを使って(フィールドワーク)紹介しています。また、第7章で、総論として地震災害の教訓、慢心への戒め、免震、制震(振)といった比較的新しい技術を紹介しています。 本書が単なる「難しい技術を噛み砕いて紹介する本」ではないと感じさせるのは、筆者の建築に対する美学であったり、建築を通した社会への警鐘であったりが散りばめられているからではないでしょうか。いま、行政に関わっている私に感じるセンテンスを抜き出して紹介します。 「何事も画一化した制度がそうであるように、技術の底辺を高める役割を果たすと同時に、技術の頭を押さえる結果となりました。構造設計はその本来の目的を離れ、役所の構造審査を通ることが第一と解されるようになってしまったのです。」 「こう考えると、わが国の建築基準法をはじめとする諸規定が、如何に後追いの規定であったか、単に規定を遵守するだけでは、安全の保証が得られないかが分かるでしょう。」
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建築初心者にも非常にわかりやすくまとめられている。おそらく理系出身でなくても読めるのではないかと思う。 地震によって発生する災害である、液状化についてや、それによりどういった力が働くかなども取り上げられており、阪神淡路大震災、東日本大震災と続き、南海トラフも危ないと言われている今...
建築初心者にも非常にわかりやすくまとめられている。おそらく理系出身でなくても読めるのではないかと思う。 地震によって発生する災害である、液状化についてや、それによりどういった力が働くかなども取り上げられており、阪神淡路大震災、東日本大震災と続き、南海トラフも危ないと言われている今、とりあえず知っておけば何かの役に立つような気がしている。
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建物の基礎、構造を知る一歩によい本だと思いました。 耐震工事をする前に、初歩的な事項を知るのによいですし、 新築の場合でも、構造設計の内容を問い合わせるための前提知識を得ることができます。
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[ 内容 ] 日々その中で暮し、働いているビルについて、私たちは何を知っているだろう。 デザインや機能には関心があっても、肝心の、建っている仕組み、いわばビルの骨組みというべき「構造」について、一般人は殆んど知らない。 どんな材料でビルは造られているのか、重力、風、雪、土といかに戦っているのか、迫りくる大地震への対策は…等々、現代人必須の知識「建築構造」の初歩を、豊富なイラスト付きで分かりやすく説明する。 [ 目次 ] 第1章 建物を「骨」まで知ろう 第2章 建物、それは重さとの戦い 第3章 構造材料さまざま、よしあし 第4章 なんでだろう?部材の力学 第5章 基礎―土の中は分からない? 第6章 見てみよう、正しく美しい建物 第7章 めざすは地震災害の克服 [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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