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余寒の雪 の商品レビュー

3.9

23件のお客様レビュー

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中山義秀文学賞受賞の…

中山義秀文学賞受賞の短編。この短編もいい。一見地味っぽいけど深い。表題の短編は、剣客商売の三冬を思い出すが、宇江佐さんの表現の仕方は男性が書くそれとはまったく違って、彼女の成長する姿には感動を覚える。

文庫OFF

この短編集の中で表題…

この短編集の中で表題作の「余寒の雪」がいい。主人公・知佐が人間的にも、女性的にも成長する様を描いている。その知佐が子供の病気の看病したのを境に母性も出てきたのか、その子供とのやり取りがほほえましかった。

文庫OFF

著者の持ち味がたっぷ…

著者の持ち味がたっぷり楽しめる短編集。タイトルになっている「余寒の雪」は主人公が人間として非常に魅力的である。

文庫OFF

2022/11/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 宇江佐真理「余寒の雪」、2000.9刊行、2003.9文庫。独立9話。大奥での壮絶な経験を持ちながらも静かで凛とした姿をくずさないお梅39歳を描いた「藤尾の局」。大柄で力持ち、豪快に見えるけど純朴で可愛らしい大滝太夫28歳を描いた「梅匂う」。剣術修行のために仙台から江戸に来たつもりの原田知佐20歳、北町同心の後添えとなることが親の希望と知り反発するも、共に過ごす内に剣を捨て同心の家族になることを決めた「余寒の雪」。秀逸でした。この3人の女性の美徳、強さ、可愛らしさ、日本女性のどの女性にもある気がします。

Posted byブクログ

2023/09/10

2022年5月15日 初期の作品なのかな。 男まさりの知佐が騙し討ちのように江戸の祝言にやって来て、故郷に帰るすべもなく、居残りするほかない。 そこでうまれる情。 大女の大滝。容姿に似合わない女らしさ。 幸せを掴むのに臆病な人たち。 今現在も通じる心の機微。 その世界で幸せ者が増...

2022年5月15日 初期の作品なのかな。 男まさりの知佐が騙し討ちのように江戸の祝言にやって来て、故郷に帰るすべもなく、居残りするほかない。 そこでうまれる情。 大女の大滝。容姿に似合わない女らしさ。 幸せを掴むのに臆病な人たち。 今現在も通じる心の機微。 その世界で幸せ者が増えて嬉しい。 武家ものの2篇は読みづらくて最後までは 読んでいない。 参考文献も書いてあり、解説にあった通り,実験的な作品なのだろう。 かたくて、説明的で。 町民と武士の違いなのか、町民の話の方が好き。 2023年9月9日 再読 梅匂う、大女の大滝 余寒の雪 男まさりの知沙 で既視感。 やはり読んでいたのね。 やはり面白い。

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2021/10/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2021/10/18 後半の史実に基づいたっぽい話が苦手で。 話が面白くてもその人の歴史とか調べたらだいたい「えー」ってなるやん。史実。 この度は知らんけど。 結局みんな死んだ。ってなるから史実不要。 大陸に渡ってチンギス・ハーンになったらしい。でいいねん。私は。

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2020/06/21

宇江佐真理さんの著作を読むたびに、気持ちがほっとします。 哀しく泣ける話もあるけれど、殆どの作品で優しい読後の気分が味わえます。 違う作家の重い作品を読んだ後の宇江佐さんには、気持ちを楽にして貰えます。

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2018/12/11

江戸時代、町人・武士・様々な環境の人が精いっぱい誠実に生きていくさまが描かれて 好感が持てる作品が多いです。 藩の現状と行く末に苦労する家老や 大奥の老女にまで上り詰めたのち商家の後妻となった女性の生き方など、内容もバラエティに富んだ短編集。 本棚に埋もれていたの見つけて、旅行の...

江戸時代、町人・武士・様々な環境の人が精いっぱい誠実に生きていくさまが描かれて 好感が持てる作品が多いです。 藩の現状と行く末に苦労する家老や 大奥の老女にまで上り詰めたのち商家の後妻となった女性の生き方など、内容もバラエティに富んだ短編集。 本棚に埋もれていたの見つけて、旅行の行き返りに 読みました。 2017/1/15 読み始める。1/26 読み終わる。 余寒の雪 (文春文庫) 内容と著者は → [more] 内容 : 修行を積み、男髷を結い、女剣士として身を立てることを夢見る知佐。 行く末を心配した両親が強引に子持ちの町方役人と祝言を挙げさせようとするが―。 幼子とのぎこちない交流を通じ次第に大人の女へと成長する主人公を描いた表題作 他、市井の人びとの姿を細やかに写し取る六篇。 中山義秀文学賞受賞の傑作時代小説集。 著者 : 宇江佐 真理  

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2017/11/10

出張帰りの飛行機と新幹線の中で、申し訳ないけれど、疲労困憊/時差ぼけの頭で読みました。それでも読みきれる読みやすい作品です。 多くの作品は女性を主人公に据えたしっとりした雰囲気の時代小説ですが、その中で「蝦夷松前藩異聞」は著者には珍しい歴史小説です。なかなかしっかりした構成で、...

出張帰りの飛行機と新幹線の中で、申し訳ないけれど、疲労困憊/時差ぼけの頭で読みました。それでも読みきれる読みやすい作品です。 多くの作品は女性を主人公に据えたしっとりした雰囲気の時代小説ですが、その中で「蝦夷松前藩異聞」は著者には珍しい歴史小説です。なかなかしっかりした構成で、重厚な雰囲気に出来上がっています。こんな小説も書くのだと驚かされました。

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2017/06/16

表題「余寒の雪」がことの外良かった。仙台育ち、男勝りで女剣士。彼女は一人の「侍」として人生を全うしたいと思っていた。が、まわりは放っておかない。年頃になれば縁談が舞い込む。その度にのらりくらりと躱してきたが、今回ばかりはちょっと趣きが違った。叔父夫妻に誘われ江戸まで行ってみましょ...

表題「余寒の雪」がことの外良かった。仙台育ち、男勝りで女剣士。彼女は一人の「侍」として人生を全うしたいと思っていた。が、まわりは放っておかない。年頃になれば縁談が舞い込む。その度にのらりくらりと躱してきたが、今回ばかりはちょっと趣きが違った。叔父夫妻に誘われ江戸まで行ってみましょう。から始まったのだから。まさか江戸で祝言が待っているともつゆ知らず、訪れてみたら、は!うそ!子持ち侍の後添い??さて、そこからどうなるか。少々軽く書いてはいるけれど、ラストシーンの情景、心情全てとても美しい。宇江佐さん、完璧。

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