知られざる傑作 の商品レビュー
映画化された『知られ…
映画化された『知られざる傑作』をはじめとする短編が六つ収められている。表題作は一枚の絵を描くことに何年もの月日をささげた老画家の物語です。これと『沙漠の情熱』が好きです。
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芸術とは何かを考えさ…
芸術とは何かを考えさせられる表題作など、ユーモアがありながらも奥深い内容が、精緻な筆致で綴られています。
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限りなき理想と限りあ…
限りなき理想と限りある人間の力量との隔絶に絶望し、ついに心血を注いだ画布を焼きすてて自殺する経緯を描いた「知られざる傑作」をはじめ『人間喜劇』からえりすぐった6つの短篇を収める。
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「映画と一緒に原作も」シリーズ第4弾。好きな映画に『美しき諍い女』ありますが、その原作がオノレ・ド・バルザックの短編『知られざる傑作』と今ごろ知るの巻。映画はずいぶん前に1度みたきりで、しかも4時間もあってあんまり内容おぼえてないんですが、エマニュエル・ベアールさんにポーッとなっ...
「映画と一緒に原作も」シリーズ第4弾。好きな映画に『美しき諍い女』ありますが、その原作がオノレ・ド・バルザックの短編『知られざる傑作』と今ごろ知るの巻。映画はずいぶん前に1度みたきりで、しかも4時間もあってあんまり内容おぼえてないんですが、エマニュエル・ベアールさんにポーッとなったのは間違いない。 1枚の裸婦絵を完成させずに描き続ける老画家のお話。その絵を見たモデル(エマ・ベアじゃない)さん、自殺しちゃう(本筋ではないですたしか)んですよねぇ。あたしそれがとてもショックで、大袈裟な話、その日以来ずっと「いったいどんな絵を描いたんだろう?」もっといえば「そんな絵を描きたい!」と絵心ゼロなくせに思い続けているんですが、その答えをきっとバルザックさん書いているはずと思って読みましたが、残念! まるでふれてませんでしたぁああああ! モデルさんなにを見たんだ? しかしそこはバルザック、他の5篇でその本質に迫っています。います? わからない、でも、ええ、ええっと、難しいんですよ、豹と真剣に戯れる男とか、兄に首を落とされる妹の幸せそうな顔とか、最愛の息子を残して逝く母の心の内とか、ルイ16世の首を落とした男をそれと知らずに匿ってしまう司教の悲哀とか、あ、でもこう書くと、モデルさんやっぱり愛を見たっぽいなぁ。
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表題を含むいくつかの短編が収められている。うまくいえないけどここには、現代文学が失いつつある背景に支えられた人の気持ちみたいなものがある。そこに出てくる気持ちには背景を伴った質量があり故に響くものがあるように思う。表題の作品は、そのまま芸術論のようでもあり気持ちの動きと併せて印象...
表題を含むいくつかの短編が収められている。うまくいえないけどここには、現代文学が失いつつある背景に支えられた人の気持ちみたいなものがある。そこに出てくる気持ちには背景を伴った質量があり故に響くものがあるように思う。表題の作品は、そのまま芸術論のようでもあり気持ちの動きと併せて印象深い作品だと思う。他の作品もいい。
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バルザックの短編を集めたもの。 ざくろ屋敷については、『谷間の百合』に収録されていたが、それ以外の短編は初めて読んだ。人間喜劇を中心とした彼の人間への飽くなき探求の一頁。 短いゆえに、人間同士のやり取りはそんなに多くはできない。社交から生み出される独特の相互作用は形成されない。そ...
バルザックの短編を集めたもの。 ざくろ屋敷については、『谷間の百合』に収録されていたが、それ以外の短編は初めて読んだ。人間喜劇を中心とした彼の人間への飽くなき探求の一頁。 短いゆえに、人間同士のやり取りはそんなに多くはできない。社交から生み出される独特の相互作用は形成されない。その分、人間が根付く空間や状況によってつながる筋書きが十二分に生かされている。 時は革命時分のフランス。戦争、恐怖政治の中にあって、ひととひととが交錯する。これらの小説を総じて『人間喜劇』と名付けるあたり、バルザックの生きることへの諦めに似たものを感じる。 筋書だけとってしまえば、単純になってしまうが、それだけでは不十分なのは、空間や時間、状況といったものが密接に絡まって、人間というものを編み出しているからであると思う。そして、そうして動き出す人間を一短編の中にとどめず、可能性を別の作品においてもいかせるように、拡げたところも、時間の中で生きる人間というものの表現に一役買っている。 ふとどこかで出会いそうな、そんな人間たちであるにも関わらず、その人間独特の物語が展開される。これを喜劇と言わずに何と言ったらよいのか。 ずいぶん原稿にも工夫を凝らして、ことば以上の表現にも挑戦していたようであるが、どうやら、書くということを飛び越えてバルザックは何かを探していたのかもしれない。書くことのできない何かを求めて、彼は人間を追い求め、書き続けていた。
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「人間喜劇」からの抜粋だそうで。邦訳は限られているみたいです。 「砂漠の情熱」 豹と兵士がだんだんと歩み寄るところがとてもとても、印象的なんです。・・・・なのにこの結末かい!? バルザックって結構ヤなヤツ?? 「恐怖時代の一挿話」 フランス史がもう少しわかれば楽しめるところもあるんだろうな、と思いつつ。 神父の「フランスのどこにも勇気が見あたらぬときに」 という言葉が重いです。 「エル・ベルディウゴ」 メリメ「マテオ・ファルコーネ」なんかを彷彿とさせる、 ばりばりの究極の選択もの。 命の価値って本当、普遍的ではありませんね。 光りますねえ。
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改めて読むと、無駄のない文章の美しさ、描写のリアル感、ともにとてもレベルの高い文体だと気づかされる。 バルザック、どうみても“肉屋のおっちゃん”の風体なのになぜ美文?(笑)と思う。 どれも秀逸ながら『砂漠の情熱』がやはり印象深いかな。 身近にありうる感覚(絶対、身近にないシチュ...
改めて読むと、無駄のない文章の美しさ、描写のリアル感、ともにとてもレベルの高い文体だと気づかされる。 バルザック、どうみても“肉屋のおっちゃん”の風体なのになぜ美文?(笑)と思う。 どれも秀逸ながら『砂漠の情熱』がやはり印象深いかな。 身近にありうる感覚(絶対、身近にないシチュエーションだが)は、ともすると粘着質な描かれ方になりがちだが(心理小説とか)、しっくり・すっきりに感じるのは やはりバルザックならでは、か。
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『知られざる傑作』が忘れられない一冊。 ジレットに焦点をあてて読んだとき、彼女に少し近づけたと思った。
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「砂漠の情熱」に魅かれて購入しました。 私、こういう人間を信じる動物の純粋さに弱いです。 けど、それだけじゃなくて、この主人公の悲哀の表現が・・・ グッと抑えた表現が一番胸に響きました。 あと、「ざくろ屋敷」は二人の子供たちの状況が自分に重なってやりきれなかったな。もちろん自分はあんなにドラマチックな身分じゃないけど、大人にならざるを得ない子供のひたむきさが切ない。
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