甘水岩 の商品レビュー

多田容子(著者)

2014/05/05

書き出しから伝記ファンタジーっぽくて期待したが、途中から忍者ものによくある隠密行動になる。

嗅ぎ忍と呼ばれる忍びの若き頭領が巫女にそそのかされて、ある二藩の利権争いに暗躍する。好敵手というべき敵方のリーダーも登場するが、いまいち戦闘に迫力がないのと、書き手が女性のゆえか男くさくない。

思いついたエピソードを継ぎはぎしていったような印象があって、主人公の過去の闇というものがあまり重く感じられなかった。艶っぽさもサービスシーン程度の扱いで、設定は良かったと思うのにやや残念。