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どうすれば天才になれるか の商品レビュー

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2013/04/04

「おお、こんな本があったのか。もっと早く出版してくれてたら今頃こんなところにいないのに」 とタイトルだけ見て手に取った本。 これで僕も天才になれるのか。ああ、苦難の人生もこれでピリオドだ……なんてにやけて読んでみたが……。 内実は子ども向けの教訓本。 過去の偉人達にはこんな特性...

「おお、こんな本があったのか。もっと早く出版してくれてたら今頃こんなところにいないのに」 とタイトルだけ見て手に取った本。 これで僕も天才になれるのか。ああ、苦難の人生もこれでピリオドだ……なんてにやけて読んでみたが……。 内実は子ども向けの教訓本。 過去の偉人達にはこんな特性があったよ、だからみんなも努力しようね、というトーンがずっと続く。 中には正確性に欠ける情報もあるけれど、まあ子ども向けだしいいんじゃないかな。 面白いのは、著者はどこかの「記憶力チャンピオン」らしく、記憶力の大切さをことさら強調していたということ。 知識を蓄えることを、天才の条件として推奨している。これは心から同意。 ちょっと前、インターネットの爆発的普及とともに、 「これから知識は不必要な時代に入る。創造性で勝負だ」 とか 「詰め込み教育はよくない。ひらめきや感性といった個性を伸ばさねば」 みたいな言説が広く流布されていたし、今もそういう考えの人っているよね。 でも、これは馬鹿げた考えだと僕は思う。 知識と創造を非連続のものと見て、何もないところから新しいアイデアが生まれるかのような錯覚をしている。 何か創造するということ、何かひらめくということは、自分の体内に蓄えた知識同士が「つながる」ということだ。 知識が多ければ多いほど、つながりのバリエーションは広がる。 たくさんの知識を覚えることは、自分という土壌を耕すってイメージ。 これからの子どもたちにはどんどん耕してもらって、豊かな土壌を醸成してほしいな。 天才になれなくても、天才っぽい人には充分になれると思うから。

Posted byブクログ