ジャック・マイヨール、 の商品レビュー

ピエールマイヨール(著者),パトリックムートン(著者),岡田好恵(訳者)

2011/08/02

グランブルーのモデルになったマイヨール。
人の世から離れるとき、彼はどんなことを想っていたんだろうか。
彼がいない今は、彼を知っている人たちの想いだけが
彼を形作ることが出来る。

タイトルを見つけたとき、胸が痛くなった本。

2009/10/04

実兄による、ジャック・マイヨールの伝記的記録、
そして自死に至るまでのジャックの内面の軌跡を
克明に綴る。
親しかった兄ならではの、ジャックの素顔。
余分な情は廃されており、この偉大な海人の人生の軌跡、
人柄をより身近に客観的に知ることが出来た。

「グラン・ブルー」の契約にまつわるトラブル、
そして映画ヒット以後に、ジャックが陥った虚無についても
より理解が深まった。
死の直前１ヶ月に関する記述は、淡々と壮絶。

ジャック・マイヨールという人は、
知れば知るほど、元々知っていた人のように感じてしまう。
なぜだろう。

独り言：
興業契約に携わる人々にはくれぐれもモラルを高く維持して
ほしいと願う。
作品がどんなに素晴らしくても、大ヒットしても、ここにか
すかな落とし穴がある事で、作品に小さな綻びがもたらされる
ものだから。
それは、本当に悲しくもったいない事だと感じる。
芸術を本当に愛しているなら、こういうところは、いや、
こういうところこそをちゃんとやりたい、やってほしいと、
つくづく思う。（願う。）

2009/10/04

「グラン・ブルー」を見た瞬間からこの人はどんな人生をどんな世界を見つめて来たのだろうと気になってならなかった。
その彼、本当を知る数少ない人物であり身内である兄が書いた内容に涙が止まらなかった。