1,800円以上の注文で送料無料

継母 の商品レビュー

3.3

3件のお客様レビュー

  1. 5つ

    1

  2. 4つ

    0

  3. 3つ

    1

  4. 2つ

    1

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

母になろうとした継母と主人公の成長と家族の在り方

サブタイトルもなく、何の説明も無い、しかし敢えて「継母」とのみ記すシンプルなタイトルは作者の自負か編集側の自信の表れか。だとしたら、それは大正解だったと言える素晴らしい作品である。義理の母(義母・継母)をヒロインとする数多の官能小説において最高峰の1つと断言したい。つまり名作。 ...

サブタイトルもなく、何の説明も無い、しかし敢えて「継母」とのみ記すシンプルなタイトルは作者の自負か編集側の自信の表れか。だとしたら、それは大正解だったと言える素晴らしい作品である。義理の母(義母・継母)をヒロインとする数多の官能小説において最高峰の1つと断言したい。つまり名作。 エリートコースを歩みながら大学受験に失敗した挫折から負の心情が鬱積する主人公。青春を謳歌した高校時代を一緒に過ごしながら現役で有名大学に進学した彼女とは意識のズレも感じ始めており、同じく有名大学から一流企業へ入社した成功体験を押し付けてくる父親も目障り。そんな家庭で32歳の若き継母【美夜】だけは優しい気配りで接してくれるのだが、始めて会った時から女としてもついつい見てしまう。こうした複雑で微妙な主人公の立ち位置と心持ちがしっかり描かれている。 派手な容姿でグラマラスな色気も放つ美夜だが、エリート意識に対するアンチテーゼの役割を担いつつ母として、義理の母というより死別した実母から受け継いだ母として一生懸命に果たそうとする姿が見えてくる。だからこそ作中の言葉を借りれば主人公の積年と万感の告白を耳にして涙ながらに「母として絶望し、女として高揚する」のである。夫に愛人の影がちらついて(ご無沙汰で)体も疼く母というオンナは他でも見られるが、それでも家庭を守り、何より息子を支えたい「母」がきちんと描かれることで滲み出る哀切は一線を画す。 赤子が甘えるように、救いを求めるように男の感情が膨れ上がった主人公に半ば押し切られる形で官能面も一気に高まる愛欲の蜜月が後半から始まるのだが、女の顔を出して受け入れてもなお慈悲深い母であろうとする美夜は相応の覚悟も決めていたようで、それは世間体と言えばそれまでなのかもしれないが、母に成り切れなかったと悔やむ心が見せた最後の決断は成長した息子を送り出す精一杯の姿だったのであろう。一読では哀しく見えながらも「立派なお母さんでしたよ」「主人公も頑張ったね」と声を掛けてあげたくなるような、そんな晴れがましさも同居した2人の門出だったようにも思う。 世の偏見をチクリと風刺しながら挫折や父子の確執を織り交ぜたドラマとして主人公の成長をも描きつつ、円満にはならなかったものの主人公を中心とした川の字のごとき新しい家族の姿を母子相姦の憂いと密度も失わない官能小説として見事に描き切った作者の手腕には感服するのみ。 確かに『継母』の他に説明するのは野暮。 それでいて『継母』が最も相応しいタイトルだった。

DSK

きれいな継母にどきど…

きれいな継母にどきどきしている主人公がかわいいです。

文庫OFF

大人の本って感じです…

大人の本って感じです・・・。興味のある方は、是非購読を!!!!!

文庫OFF