いちばん大事なこと の商品レビュー
ごみの分別や電気の…
ごみの分別や電気のこまめな消灯、ビニール袋の節約など普段の生活の中で環境に配慮した生活を心がけている人は多い。ただし我々にはその効果を具体的に認知できない。またもっと他に環境のためにできることがあるのでは、と考えても具体的に何をしていいのか分からないという人も多いと思う。 本書...
ごみの分別や電気のこまめな消灯、ビニール袋の節約など普段の生活の中で環境に配慮した生活を心がけている人は多い。ただし我々にはその効果を具体的に認知できない。またもっと他に環境のためにできることがあるのでは、と考えても具体的に何をしていいのか分からないという人も多いと思う。 本書はそんな我々の鈍った自然に対する感覚を鋭敏にするための手引書となる。具体的にこれをしろ、あれをしろと書いてはない。「ああすればこうなる」という短絡的思考は著者の否定するところである。それでも本書は自分で環境を考え始めるため
文庫OFF
環境、自然を考えるに…
環境、自然を考えるにはまず自分の肉体を知るところから。著者ならではの視点で語られる「環境問題」はまさに目からうろこな内容ばかりだった。リサイクルやゴミ拾いに精をだすまえに、私達がわかっていない大切な意識があることに気づきました。
文庫OFF
・イギリス:ロンドン郊外では、一見のどかな田園風景が広がっているが、昆虫の種類などは悲惨なほど少ない。
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あとがき曰く、どさくさに紛れて言いたいことを言ってしまえ、と書いたのがこの本らしい笑。養老孟司が考える環境問題、の根本になるほどと思った。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
虫も自然、人体も自然。目から鱗の内容でした。養老孟司「いちばん大事なこと(環境論)」、2003.11発行。環境問題には2つの側面がある。ゴミや騒音、排ガス等への対策(8割)と自然環境の維持(2割)。人工と自然。人間の体自体も人工と自然。環境問題を追究すると、自分の心身の問題に戻る。身体は川と同じ。水はたえず入れ替わっている。人間は自然であり、生態系である。
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環境問題は戦争や経済が比べものにならないほど重大な問題。 しかも僕達は薄々感じながらも知らないフリで過ごしている。 子供たちにその代償を払わせるのか?
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久しぶりに養老先生の紙の本を読んだ。 環境問題という漠然としたテーマに養老先生はどのように切り込むのかに興味があり、本書を読んだ。 結論から言えば、本書は「森林破壊」や「大気汚染」などの環境問題の個々のテーマを扱ったものではない。それらを含んだ環境問題の全体を扱っている。違う言い...
久しぶりに養老先生の紙の本を読んだ。 環境問題という漠然としたテーマに養老先生はどのように切り込むのかに興味があり、本書を読んだ。 結論から言えば、本書は「森林破壊」や「大気汚染」などの環境問題の個々のテーマを扱ったものではない。それらを含んだ環境問題の全体を扱っている。違う言い方をすれば、環境問題を引き起こした「人間」、環境問題に対峙する「人間」がテーマである。 まず、「環境問題がなぜ難しいか」から解きほぐす。環境はシステムであり、システムを断片的に切り取って情報化することに邁進してきたがゆえに、システムの全体像を掴むことができなくなっている。ゆえにシステムを上手く運用することも出来なくなりつつある現状だが、そこでは日本人が得意としていた「手入れ」の思想が役に立つ。日本人の自然への対峙の仕方は柔軟で、「手入れ」でシステムをより良く運用する知恵を昔の人は心得ていた。その思想は生活全般を支えるものであった。 環境問題は都市化がもたらした。自然を破壊して成立するのが都市だからである。そしていまは脳化社会である。意識中心の社会である。コントロールが可能な人工物で溢れている。それは、コントロールできない自然や身体、子どもを否定するところで成立する。 だから、環境問題は一人ひとりの考え方の問題に帰着する。しかも、すべての人に関わりがある。すべての人に関わる問題を政治問題と言う。 養老先生は「環境問題は最大の政治問題である」という。すべての人に関わる環境問題を、政治問題の根本に据えるべきと解く。 それにしても養老先生の本は学びが多い。本書も線を引きながら、付箋を貼りながら、思索しながら読んだ。養老先生の博覧強記に驚く。 『利己的な遺伝子』のドーキンスをばっさり切り捨てたところは圧巻であった。 養老先生の慧眼、洞察力にただただ驚く。
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#図書館 (引用→解釈→行動) ①「なにもしないこと」の重要性→「する」ことではなく、「しない」ことを決めるべき→「本を読む」ではなく「スマホの時間を減らす」 ②「システムは複雑」、教壇から教えると「ああすれば、こうなる」型になる→自然環境(システム)は因数分解しても完全に理解で...
#図書館 (引用→解釈→行動) ①「なにもしないこと」の重要性→「する」ことではなく、「しない」ことを決めるべき→「本を読む」ではなく「スマホの時間を減らす」 ②「システムは複雑」、教壇から教えると「ああすれば、こうなる」型になる→自然環境(システム)は因数分解しても完全に理解できない。部分最適が全体最悪になることがある→小さく変えつつ、視野を広く取り、影響を検証する。
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あの”脳科学者”で知られる養老孟司氏が、環境論に関する著書を出されているとは、いささか驚いた。序論で御本人も「なぜ環境問題に口を出すのか」と部外者であるかのように謙遜されているが、環境省の諮問機関の委員もされているとのこと。さらに驚いたのは、「そもそも私は脳科学者なんかではない」...
あの”脳科学者”で知られる養老孟司氏が、環境論に関する著書を出されているとは、いささか驚いた。序論で御本人も「なぜ環境問題に口を出すのか」と部外者であるかのように謙遜されているが、環境省の諮問機関の委員もされているとのこと。さらに驚いたのは、「そもそも私は脳科学者なんかではない」と。「本業は虫取り?」とまで。 内容は実に専門的だ。特に環境論の発端を歴史的に分析するあたりは、環境論に関する議論の根幹は何であるかということを考えさせられた。 環境問題とは単に目の前にあることを解決するだけでなく、我々が(後世まで続く世界を鑑みて)どう生きるかを考えることだと思う。
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「歴史は起こったことの連続である。何かが起こらないようにするために日常的に払われている努力を無視している」
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