コーネルの箱 の商品レビュー
エコープレスから1992年、詩人・文人が画家・造形美術家を 自由に論じる小さなシリーズの一冊として刊行された、 チャールズシミックによるジョゼフ・コーネル論。 前にこのシリーズで詩人マーク・ストランドの「犬の人生」 を村上春樹氏訳で読み、レビューも書きました。 いままで、コーネ...
エコープレスから1992年、詩人・文人が画家・造形美術家を 自由に論じる小さなシリーズの一冊として刊行された、 チャールズシミックによるジョゼフ・コーネル論。 前にこのシリーズで詩人マーク・ストランドの「犬の人生」 を村上春樹氏訳で読み、レビューも書きました。 いままで、コーネルのBOXアートを単なるコラージュ作品と してしか観ていなかったかもしれない。 詩人はこんな風に箱の中の世界を語れるんだ。 シュミックが覗き込んだコーネルの箱には本当にたくさんの 物語が潜んでいました。
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(2007.12.02読了)(拝借) コーネルの箱を見たのは、千葉県佐倉市にある川村記念美術館でです。 川村記念美術館は、コーネルの箱をいくつか所蔵しています。神さんが偉く気に入っていました。本屋で「コーネルの箱」を見つけて買って来ました。 だいぶ前に神さんから借りたのですが、や...
(2007.12.02読了)(拝借) コーネルの箱を見たのは、千葉県佐倉市にある川村記念美術館でです。 川村記念美術館は、コーネルの箱をいくつか所蔵しています。神さんが偉く気に入っていました。本屋で「コーネルの箱」を見つけて買って来ました。 だいぶ前に神さんから借りたのですが、やっと読みました。 壁掛けガラスケースにオブジェを配置した作品。見るものに小宇宙を感じさせます。ガラスケースの中で、可動のものは、見るたびに別の場所にありますので、印象が変わったりします。このような芸術作品をなんと呼んだらいいのでしょうか。 材料は、既製品を使うので、彫刻ではありません。製作者の好みで組み合わせて出来上がったものです。 この本は、作品の解説なのか、感想なのか、作品が呼び起こしたことに基づく詩なのか、よく分かりません。短文がいくつかつづられています。24の作品の写真が収められています。川村記念美術館、横浜美術館、小川美術館の作品が含まれています。 ジョゼフ・コーネル 1903年12月24日生まれ 1931年 シュルレアリストの作品と出会った。 1932年1月 シュルレアリスム展に出品 1972年12月20日心臓発作で死亡 ●ジョゼフ・コーネル(46頁) ジョゼフ・コーネルはスケッチもできなかったし油絵も描けなかったし彫刻もできなかった。にもかかわらず彼はアメリカの偉大な芸術家であった。 1920年代から、1972年に亡くなるまで、コーネルはニューヨークの町をさまよい、古書店や古物屋を漁ってまわった。1931年のある日、ある店のウィンドウでいくつかの磁石を見て、隣のウィンドウでいくつかの箱を見て、それを一緒にすることをコーネルは思いついた。 ●コラージュの技法(51頁) コラージュの技法、すなわちすでに存在している図像の切れ端を組み直して新しい図像を作り上げるという技法は、今世紀の美術における最も重要な革新である。見出された物、偶然の創造、レディメイド(大量生産された品が美術品に昇格する)、それらは芸術と人生の分離を無効にする。正しく見られ、認識されれば、ありふれた事物も奇跡なのだ。 芸術は創るものではない、見つけるものだ。すべてを芸術の素材として受け入れるのだ。 ●シュルレアリスム(74頁) シュルレアリスムはコーネルに、雑多な古物を収集する変わり者以上の人間になる術を教えてくれた。ダダとシュルレアリスムは、コーネルに先例と、自由とを与えてくれた。 (2007年12月4日・記) (「MARC」データベースより)amazon ニューヨークの古本屋や小道具屋を漁って手に入れた小物を木箱に収めて誕生した小さな宇宙。バレリーナやプリンスを忍ばせたコーネルの秘密の小箱。不思議なアートに華麗な小文を加えた大人の絵本。『本の話』連載に大幅加筆。
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川村記念美術館のコーネル展に行き、この本と(タカハシムツオさんの詩つき)作品展の本を購入。しかるべき場所で買えて本当によかった。大事にしよう。
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アメリカ生まれのジョゼフ・コーネル(1903-1972)は、「箱のアーティスト」として知られています。 1931年にエルンストやダリなどのシュルレアリスム芸術に感化され、自らコラージュなどを制作したあと、彼が生涯を通じて作り続けたのは、両手で抱えられるほどの大きさの手作りの箱にお...
アメリカ生まれのジョゼフ・コーネル(1903-1972)は、「箱のアーティスト」として知られています。 1931年にエルンストやダリなどのシュルレアリスム芸術に感化され、自らコラージュなどを制作したあと、彼が生涯を通じて作り続けたのは、両手で抱えられるほどの大きさの手作りの箱にお気に入りの品々をしまい込んだ作品でした。それらはコーネル自身にとっての宝箱であると同時に、彼独自の世界観を披露するショーケースであったといえます。 コーネルが箱に入れたものには、虫の標本や珍しい楽譜のようなこだわりのコレクターズ・アイテムのほかに、近所の雑貨屋で売られているコルク球やコーディアル・グラスといった日用品もありました。箱の中のこれらは本来の姿にくわえ、さまざまなものの象徴として登場します。たとえば、《鳥たちの天空航法》の二本の金属棒の上を転がる白いコルク球は、玩具のようであり、運行する天体であり、無垢な魂をもった渡り鳥が飛んでいくさまであり・・・と、多種多様な意味合いを含んでいます。あるいは、青い空を海と見れば、箱の底に置かれた素焼きのパイプや貝殻、折れ曲がった釘のついた木の切れ端が、遠い昔に海に沈んだ難破船の名残であるとも思えてきます。こうした時空を超えた広がりは、そこが箱という小宇宙だからこそ感じることができるのでしょう。 川村記念美術館 ジョセフ.コーネル七つの箱より抜粋-------------------------------------- 私がジョセフ・コーネルの作品を美術館で見たのは、まだ高校生の頃でした。 ちょうど、長野まゆみさんの著書に傾倒していた頃だったので、何か共通するものを感じて食い入る様に見つめていたのを思い出します。 狭い箱の中に閉じ込められないものを表現する....。 その静謐さと矛盾が例えようもなく好きで、時々本を眺めています。 WebMuseum: Cornell, Joseph http://www.ibiblio.org/wm/paint/auth/cornell/ コーネルの箱作品が多数紹介されています。
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もっと自分が詩に感化されやすい時に読みたいな。コトバが平易なのにとてもフラフラっと来る感じです。コーネルもシミックも好きになります。
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「箱の芸術家」、ジョゼフ・コーネルの作品とそれらに添えられたエッセイ。 コーネルの作品は今ならジャンク・アートと呼ばれるのかもしれない。前世紀のニューヨークの街を巡り、古本屋や古道具を扱う店などから集めた品々を30センチそこそこの箱の中に納める。クラシカルで品の良いそれらのパーツ...
「箱の芸術家」、ジョゼフ・コーネルの作品とそれらに添えられたエッセイ。 コーネルの作品は今ならジャンク・アートと呼ばれるのかもしれない。前世紀のニューヨークの街を巡り、古本屋や古道具を扱う店などから集めた品々を30センチそこそこの箱の中に納める。クラシカルで品の良いそれらのパーツが醸し出す雰囲気は静謐で、少しもの悲しい。シミックの散文も同じ。読んでいると誰かの大事なコレクションボックスを、そっと覗かせてもらっているような感じがしてくる。 シンプルな雑貨とか、ちょっとセンスのいい小物が好きな人なら読んで気に入ると思う。
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額を創りたいと思った原点です。 何かを閉じ込めるということ。 それはある意味で自分を閉じ込めること。 そして閉じ込めることで自分を解き放つこと。
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コーネルの作品にシミックの詩(散文?)を織り込んだ一冊の本。 コーネルはシュルリアリズム時代の芸術家で作品は主に箱の中に世界を作り上げる、というスタイル。 でも、本人はシュルリアリズム主義ではない、らしく、その辺りは解説で軽く触れてあります。 箱の作品って初めて見たけど、いい...
コーネルの作品にシミックの詩(散文?)を織り込んだ一冊の本。 コーネルはシュルリアリズム時代の芸術家で作品は主に箱の中に世界を作り上げる、というスタイル。 でも、本人はシュルリアリズム主義ではない、らしく、その辺りは解説で軽く触れてあります。 箱の作品って初めて見たけど、いい!! 面白いし、立体で、組み合わせが自由なのに制限されてるから(実在するものしか使えないので)いいね。 偶然に出会ったモノ同士を同じ場に存在させるのって、まさに一期一会。 もっと適したモノがあっても、出会わなければ存在しないのと一緒。後で出会っても同じ事。 シミックの文章も邪魔は、してないんじゃないかな? ごめん、そっちはあんまり読んでなかった
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シュルレアリスム時代の作家の作品集です。 これは小説ではないのですが、 作品に流れる静謐さが漂う世界観が好きです。
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0314(作品の勉強にはなった。あとはふぅん、と言う感じ。ちょっと訳が気取り過ぎなきがしてなじめない。)
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