緒方貞子 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
国連難民高等弁務官であった緒方貞子氏について、NHKの記者が過去のインタビューを元にまとめた本。難民支援というものが命懸けであり、容易ではない様が書かれている。非常に簡潔にまとめてあって読みやすかった。 再読: 国際的無関心が無ければ防げた事があるだろうという主張が今回は記憶に残った。たまたま現在読み進めているアフガニスタンの大仏破壊に関連する話と繋がるところがあったので。
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一番心に残った言葉。「…もっと頑張ってください。ほんとに頑張っている方たちがいらっしゃるんですよ、びっくりするほど。」国際意識が低い若者に向けて、こうもストレートに言うのは、和田さん以来だな。
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あかん。 オレ、このばあちゃんに惚れた。 マジでかっこいい。 オレがこの人に魅力を感じた理由を自分なりに分析してみるに、この人の考えには常に一本の筋が通ってて、その曲がらない幹から柔軟に枝を伸ばしたように目の前の事象に対応する姿勢に、魅力を感じたんやと思う。 ただ、そ...
あかん。 オレ、このばあちゃんに惚れた。 マジでかっこいい。 オレがこの人に魅力を感じた理由を自分なりに分析してみるに、この人の考えには常に一本の筋が通ってて、その曲がらない幹から柔軟に枝を伸ばしたように目の前の事象に対応する姿勢に、魅力を感じたんやと思う。 ただ、その幹は、「こういう世の中になるべきだっ!!」っていう思想的なもんではない。もっと、人間の根底にある部分を、この人は大切にしてる気がする。 作品中にセンが出てきたからセンの例を挙げると、センの場合は「民主主義にすべき」って根っこがあって、そのためにどうすればいいか、またそうすればどういった副次的な効果が得られるかってのがメイン。民主主義の大切さはわかるんやけど、自分の考えと共感しきれなかった部分があったんよね。 一方、緒方さんは民主主義であろうが、独裁体制であろうが、資本主義であろうが、社会主義であろうが、なんでもいい。(軍国主義は別って言ってるけど。)ただ、弱者が虐げられない、それでいて出来る限り全員が納得できる答えを模索してる理想家。やけど、現実とも向き合う。 現場を大切にして、「上主導の安定ではなく、下からの安定が必要」って言葉にも魅力感じるし・・・ あー、いいわ。 ハマってしまいそうですww この本の書き方もまた素晴らしい。 インタビュー形式やから、こねくり回して考えた文章ではなく、その時に緒方さんが考えた言葉を直接感じ取れる。 あんまりうまく魅力を伝えられんけど、とりあえずいい本やったってことが言いたいわけですwww
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UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)元代表の緒方貞子氏についての本。緒方氏の傑出した行動力と、難民問題の複雑さをうまくまとめている。 難民支援には常にさまざまなジレンマがつきまとい、一筋縄で解決できるものではないこともこの本を読めば容易に理解できる。また、緒方氏赴任以前のUN...
UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)元代表の緒方貞子氏についての本。緒方氏の傑出した行動力と、難民問題の複雑さをうまくまとめている。 難民支援には常にさまざまなジレンマがつきまとい、一筋縄で解決できるものではないこともこの本を読めば容易に理解できる。また、緒方氏赴任以前のUNHCRはスキャンダル等で士気の下がった状態であったことも本書ではじめて知った。組織とトップの関係を考えるのにも役立つ好著。
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[ 内容 ] 冷戦後の一〇年間、国連人道機関の一つであるUNHCRのトップとして世界の難民支援を指揮し、国際的に高い評価を得ている緒方貞子・前国連難民高等弁務官。 頻発する危機や武力紛争の中で、彼女はどのように考え、決断し、行動したのか。 同時多発テロ事件のあと世界はどこに向かお...
[ 内容 ] 冷戦後の一〇年間、国連人道機関の一つであるUNHCRのトップとして世界の難民支援を指揮し、国際的に高い評価を得ている緒方貞子・前国連難民高等弁務官。 頻発する危機や武力紛争の中で、彼女はどのように考え、決断し、行動したのか。 同時多発テロ事件のあと世界はどこに向かおうとしているのか。 「人間の安全保障」という考え方にはどんな可能性があるのか。 ―長時間のインタビューに関係者の証言をまじえて、その人と思想を生き生きと描き出す。 自らの生い立ちを日米関係史に重ね、人道主義を力強く提唱した、アメリカでの講演『日本、アメリカと私―世界の課題と責任』を巻末に収録。 [ 目次 ] 序章 怒りを原動力にして 第1章 国連難民高等弁務官への道 第2章 「冷戦後」の始まり―クルド難民 第3章 「民族浄化」の中で ―旧ユーゴ紛争1 第4章 国際政治と人道援助―旧ユーゴ紛争2 第5章 厳しさを増す人道援助―ルワンダ難民 第6章 紛争地域の再生に向けて 第7章 同時多発テロとアフガン難民支援 第8章 「人間の安全保障」に向けて 終章 イラク戦争、そして日本 [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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ずいぶん昔に読んだ本で、現在はJICAの理事長として日本の途上国支援のトップに立っている緒方さんの国連難民高等弁務官のころの活躍をまとめた本。女史の苦労が伝わってくる。
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東西冷戦終結後の10年、国連難民高等弁務官を務めた緒方貞子の 活動を、本人へのインタビュー、演説、関係者の証言を交えて追う。 ボスニア、コソボ、アルバニア、ルワンダ…。緒方氏がその職務に 就いた時、世界各地では内戦や民族紛争が多発していた。 そんな一番難しい時期に、各...
東西冷戦終結後の10年、国連難民高等弁務官を務めた緒方貞子の 活動を、本人へのインタビュー、演説、関係者の証言を交えて追う。 ボスニア、コソボ、アルバニア、ルワンダ…。緒方氏がその職務に 就いた時、世界各地では内戦や民族紛争が多発していた。 そんな一番難しい時期に、各国の指導者を説得し、影響力を発揮 した日本が誇る日本人ではないだろうか。 現地のスタッフには常に現場の状況を報告するよう要請するだけで なく、自らもジュネーブの本部を飛び出し難民キャンプへと足を運ぶ。 「任期中に三一回もアフリカを訪れた高等弁務官がいたでしょうか。 後任の人がこの記録を破ってくれることを願っています。緒方さんは、 たとえ政治的問題があっても、難民の命がかかっていると知ると躊躇 なく大胆に交渉する人でした。私たちにとって、緒方さんはいつも 『そこにいた』のです」 アフリカ・ウガンダの難民担当大臣の言葉だ。 「怒りかもしれないですね。何かうまくいかないと、がっかりするよりも 怒りが出てくるんですよね。何とかしちと、こんなことは受け入れられ ませんと(略)」 怒りを原動力にして、世界と渡り合った女性の根本には、難民として 真っ先に困窮する同じ女性たちへの愛情がある。
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緒方貞子という名前はよく聞くけれど、どういった人なのかよく知らなかったのでこの本を読みました。 NHKの東野真さんという方が番組作成の過程で緒方さんにインタビューした内容を収録しており、また、緒方さんを支えた側近や関係者の方への取材も盛り込んであります。それらから、緒方さんがどの...
緒方貞子という名前はよく聞くけれど、どういった人なのかよく知らなかったのでこの本を読みました。 NHKの東野真さんという方が番組作成の過程で緒方さんにインタビューした内容を収録しており、また、緒方さんを支えた側近や関係者の方への取材も盛り込んであります。それらから、緒方さんがどのような仕事をしていて、どういった人物であるかが見えてきました。 2003年に出版されたもので、今から7年も前の昔になるのではありますが、現在においても十分読む価値のある本だと思いました。難民などの国際問題に関心がある方だけでなく、内向的で国際社会にあまり関心のないような人にこそ読んでほしい本です。 何箇所か自分の中に印象に残った個所を引用しておきましたので、そちらもご覧下さい。ただし引用した文章は必ずしも緒方さんの言葉とは限りませんのでご注意ください。 私たちは、どのような時代を生きているのか、そして何をしていかなければならないのか。このような大きな疑問を抱え、その答えを求めて暗闇を模索する時、緒方さんの言葉は明るい一筋の光を示してくれています。
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わたしがこよなく尊敬する人物、緒方貞子さんに関する著書。 国際情勢とともに、緒方さんの行動力、その人柄も垣間見ることができます。 日本女性らしい柔らかさを持ちつつ 同時に強靭な意志と果てしない想像力と実行力を持ち その一貫した意思を、目的を実現してゆく姿には感銘を覚えま...
わたしがこよなく尊敬する人物、緒方貞子さんに関する著書。 国際情勢とともに、緒方さんの行動力、その人柄も垣間見ることができます。 日本女性らしい柔らかさを持ちつつ 同時に強靭な意志と果てしない想像力と実行力を持ち その一貫した意思を、目的を実現してゆく姿には感銘を覚えます。 そして、その原動力が「怒り」だと明言しつつも 未来を悲観することなく、冷静に見つめ、提言し続ける姿勢もすばらしい。 「もっと頑張ってください。 ほんとに頑張っている方たちがいらっしゃるんですよ、びっくりするほど。」 フィールドは違えど、自分は自分の分野での、「緒方さん」になりたい。 ほんとうに、たくさんの人に読んで欲しいです。 自分の中できっとなにかが変わり そこから少しずつ、それが広がってゆくはず。
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(2003.11.06読了)(拝借) この本は、NHKプロデューサーがインタビュー番組などを元に、国連難民高等弁務官としての緒方貞子さんの活動についてまとめたものです。 難民に出会ったのは、1979年にタイ国境に流出したカンボジア難民の日本調査団の団長として参加したときが最初とい...
(2003.11.06読了)(拝借) この本は、NHKプロデューサーがインタビュー番組などを元に、国連難民高等弁務官としての緒方貞子さんの活動についてまとめたものです。 難民に出会ったのは、1979年にタイ国境に流出したカンボジア難民の日本調査団の団長として参加したときが最初ということです。 難民の定義は、「人種・宗教・国籍・政治的信条などを理由に迫害を受ける恐れがあるため、国外に逃れ自国の保護を受けられない人々」となっているそうです。 緒方さんが国連難民高等弁務官として就任して最初の大仕事は、クルド難民。イラク政府軍に追われてトルコへの国境を越えようとするのだが、トルコは越境を許さないので越えられない。難民の定義は、国外に逃れた人となっているので、難民に該当しない。いろいろ検討の結果、緒方さんは、保護に踏み切ります。これ以後、同様のケースが続出することになるので、時代をしっかり見据えた決断だったことになります。 この後、ボスニア・ヘルツェゴビナの問題。孤立しているサラエボ市民に援助物資を運ぶことを決め、国連軍に派遣された各国の空軍将校がサラエボ空港まで空輸しそこからは、職員がタクシー運転手等から募った人たちで運ぶことにします。 難民を保護する仕事は、決して安全な仕事ではありません。援助物資の空輸の飛行機が撃墜されたり、陸上輸送のトラックの運転手が襲撃されたりしています。部下たちが危険な場所で働いているので、緒方さんもたびたび現場へ出かけています。 コソボ紛争、ルアンダ難民と続きます。コソボの場合は、難民が戻ってゆくと、追い出したほうが今度は追い出されてゆくという問題が出てきます。ルアンダの場合は、難民の中に隠れて、兵士たちもいて、難民が故郷へ戻ろうとするのを阻止するというようなこともあります。一筋縄ではどうにもならないことばかりです。 1996年、ボスニアにおいては、複数の民族が協力し合って、生活を再建するプロジェクトを立ち上げたそうです。 内部紛争が続き、人々の安全を守る軍隊が必ずしも人々の安全を守るという時代ではなってきたので、「人間の安全保障」という概念が提唱されています。緒方さんは「人間の安全保障委員会」の委員を務めています。 国連難民高等弁務官だったときの基本は、難民の側にいるだったそうです。 難民援助は、かわいそうだから援助するではなく、人間の尊厳を全うすることができるように、ということです。 紛争の複雑さ、難民の悲惨さ、援助の難しさについては、直接本を読んで感じていただきたい。 著者 緒方 貞子 1927年 東京生まれ 聖心女子大学文学部卒業 1951年 アメリカに留学 国際関係論 1976年 国連公使 1990年 国連難民高等弁務官 (「BOOK」データベースより)amazon 冷戦後の一〇年間、国連人道機関の一つであるUNHCRのトップとして世界の難民支援を指揮し、国際的に高い評価を得ている緒方貞子・前国連難民高等弁務官。頻発する危機や武力紛争の中で、彼女はどのように考え、決断し、行動したのか。同時多発テロ事件のあと世界はどこに向かおうとしているのか。「人間の安全保障」という考え方にはどんな可能性があるのか。―長時間のインタビューに関係者の証言をまじえて、その人と思想を生き生きと描き出す。自らの生い立ちを日米関係史に重ね、人道主義を力強く提唱した、アメリカでの講演『日本、アメリカと私―世界の課題と責任』を巻末に収録。
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