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ベトナム症候群 の商品レビュー

3.7

8件のお客様レビュー

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2020/08/13

ベトナムでの敗戦以降の呪われたアメリカについて。 読み進めると同時に、本書でも何度か触れられている『ランボー(一人だけの軍隊)』の映画をシリーズで4作目まで観てみた。 『ランボー』の2作目(ベトナムでの救出劇)と3作目(アフガンでの対ソ工作)は、本書に描かれている通り文字通り...

ベトナムでの敗戦以降の呪われたアメリカについて。 読み進めると同時に、本書でも何度か触れられている『ランボー(一人だけの軍隊)』の映画をシリーズで4作目まで観てみた。 『ランボー』の2作目(ベトナムでの救出劇)と3作目(アフガンでの対ソ工作)は、本書に描かれている通り文字通り誰もが熱狂したと記憶しているのだけど、いまあらためて観ると「ひとりよがり」という印象の方が強い。 とはいえ『ランボー』のシリーズは、公開される瞬間的な米国民の感情を捉えて、それをフィルムにしたという感じで捉えるととてもおもしろい。 また2作目以降のシリーズでは常に「救出する」ために行動しているわけだけど、この点については、本書にもあるベトナムでの行方不明者だけでなくテヘラン大使館の救出失敗(1979)の「後遺症」とも捉えることはできる。 2作目以降、西洋対その他の世界のフレームで描かれているところや、4作目の「教会の依頼で傭兵として働く」とか、西洋史を紐解きつつ観るといろいろおもしろい。

Posted byブクログ

2019/05/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

アメリカが自分らを正義と思っている限りは 恐らく戦争というものもなくなりそうもないです。 残念だけれども、あの人がついた時点で もはやその神話も、リーダーシップも 終了しているに等しいでしょう。 違和感を覚える記述は多いと思います。 そう感じるのは我々が戦争とは遠い場所にある という思い込みもあるかもしれません。 だけれども、その兵器は必ずしも 正義を生み出すとは限らないのです。 そう、ベトナム戦争がもたらした結果のようにね。 そして、それはアメリカという国に 逃れようのない呪縛というものを残しました。 今も残っていることでしょう。 恐れのために2つの戦争で やらかしているのです。 (脅威を早期に取り除けなかった) 重い内容ですね。

Posted byブクログ

2018/05/05

◆ベトナム戦争がアメリカ世論に齎したはずの自省的な姿勢。しかし、それは一夜の幻の如きもので…。建国から底流に流れ続けてきたアメリカモンローは、ベトナムですら覆すまでには至っていない実を開陳◆ 2003年刊。 著者は筑波大学社会科学系教授(政治外交史)。  アメリカとは、某国民...

◆ベトナム戦争がアメリカ世論に齎したはずの自省的な姿勢。しかし、それは一夜の幻の如きもので…。建国から底流に流れ続けてきたアメリカモンローは、ベトナムですら覆すまでには至っていない実を開陳◆ 2003年刊。 著者は筑波大学社会科学系教授(政治外交史)。  アメリカとは、某国民的アニメーションの荒くれ苛めっ子に例えると一番理解しやすい。そんな印象を一層亢進させる書である。  確かに、ベトナム戦争中からカーター政権半ば頃までは、多少、内省的・自省的側面が無かったわけではない。しかし…というのが実情ではなかろうか。  そして、そのマッチョな自意識が湾岸戦争の圧勝と、経済的復権の様相で、国家レベルで肥大化している。そんな印象が強く残る。  元よりこの自意識は現実には即応していない。WWⅡ直後ほどの圧倒的な力の差。それは、短期決戦に持ち込んだ軍事面のみで妥当するだけで、経済・長期戦・ゲリラ戦には疑問符がつく。  そんな中、世論の持つマッチョな自意識を政治面で強要することが、政治・外交・軍事に枷を嵌め、かえって大局を見失った外交が展開しているという。  そもそも米国世論は、外交に関心が無く、内政のみに関心を向け、しかも近年その傾向性が強まっている。大統領、さらに大統領に物申すべき議会(議員)が、かような世論を忖度し、かつ世論のコントロールに傾注する。  ベトナムが齎したのは、世論のコントロールの重要性を政権運営者に自覚させた。今となっては、ベトナムの影響とは総体的にはその程度なのだなということが十分伝わる書となっている(勿論、米国人が個々人として須らくマッチョな心性を有している者ばかりでないことは言うまでもないし、本書もそういう風には論じていない)。  というよりも、著者自身、かような米国の外交姿勢に批判的な目線を持ち、所々、その批判が本音として顔を出す。そんな叙述が見受けられる。

Posted byブクログ

2017/06/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

アメリカにとって「敗北」ということが、いかにその後の米国の価値観や行動に影響を与えたかが「ベトナム症候群」というワードで、まとめられている。 カウンター・カルチャーの発生もその一つ。 当時を生きているアメリカ人にとっては、それほど衝撃的なことだったのだろう。「国家として中年を迎えた」ということからも、その影響の大きさがよく理解できる。 オバマがシリア問題で頑なに地上兵の投入を制限したりしたことも、このあたりにつながってくるのだろう。 国民の理解を得られない戦争は、政治生命に直結する。 また、マスメディアの進歩もあり、人的被害への影響も大きくなった。兵器のスマート化による少量生産は、予算を逼迫させる原因の一つになっている。など。 北朝鮮での世界の動きの参照になる。

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2011/12/10

ベトナム戦争を通じてアメリカが得た”経験”が、その後の環境及び軍事力行使にどうように影響を与えてきたかを描く。新書にしてはボリュームもあり、内容も多岐に渡っているが、全体的に読みやすく分かりやすい。アメリカ人が克服しようともがいているこの経験こそ、アメリカ人が忘れてはならない経験...

ベトナム戦争を通じてアメリカが得た”経験”が、その後の環境及び軍事力行使にどうように影響を与えてきたかを描く。新書にしてはボリュームもあり、内容も多岐に渡っているが、全体的に読みやすく分かりやすい。アメリカ人が克服しようともがいているこの経験こそ、アメリカ人が忘れてはならない経験だとする終章が印象的。

Posted byブクログ

2011/05/28

ベトナム戦争の敗北がアメリカの政治や社会にもたらした影響、さらにアメリカ人のメンタリティと対外政策の関係についての論考。新書ながら良くまとまっています。

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2011/03/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

[ 内容 ] 二十世紀最後の四半世紀、アメリカはベトナム戦争の亡霊と壮絶な戦いを繰り広げた。 ベトナムで得られず、その後も手に入れられなかった完璧な勝利、疑念の余地なき正義、そして英雄が存在する戦争を求めて、巨象はもがき続けた。 サイゴン陥落後、アメリカの外交・軍事・社会はどのような変化を被ってきたのか。 世紀を超えてアメリカを蝕み続けたベトナム症候群が、タリバン戦争、イラク戦争の背景にあることを明かす。 [ 目次 ] 第1章 建国二〇〇年目の敗戦 第2章 癒しを求める旅 第3章 砂上の蜃気楼 第4章 復活途上の超大国 第5章 窮屈な対外介入 第6章 アメリカ式戦争への回帰 終章 アフガニスタンとイラクを超えて [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]

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2009/10/07

アメリカが歴史上初めて敗戦を喫したのがベトナム。ベトナムの後遺症がイラク、アフガニスタンに繋がる。アメリカが世界の警察を気取るのはもう終わりにすべきだろうね。

Posted byブクログ