長期不況論 の商品レビュー
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[ 内容 ] なぜ、不況から脱却できないのか。 構造改革が進める日本型経済システムの解体とともに、終身雇用制など生活の拠り所への信頼は崩れ、将来不安が生じる。 不安ゆえに人々が消費を控えることが消費不況の真因ではないか。 不良債権処理論やインフレ目標論などを批判的に検討し、若者の間に広まる新しい消費スタイルに新生の希望を探りながら、信頼を瓦解させるだけの小手先の「改革」を超えて、金融や雇用制度への信頼を回復するための成熟した経済政策のあり方を考える。 著者渾身の経済再建論。 [ 目次 ] 第1章 構造改革の罠(一九九〇年代の経済政策の軌跡;何をめざしているのか―構造改革の11の主張) 第2章 日本の経済社会に何が起きているのか―長期不況論(消費不況という奇妙な現象;長期不況の原因と帰結―制度崩壊が引き起こす不安;構造改革論はなぜ制度の解体にこだわるのか ほか) 第3章 市場社会が直面する新たな現実―信頼の崩壊から再生へ(生産要素と市場化の限界;グローバル資本主義の不安定性;都市再生政策の病理 ほか) 終章 経済社会のゆくえ [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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紹介文から抜き出すと「経済全体の供給に対して需要が不足している限り、売れ残り分は新規の不良債権の発生因となるのだから、不良債権の「抜本」処理は困難」、「家計所得の約八割は消費に使われ貯蓄には二割しか回らないのに、経済理論は貯蓄ばかり論じてきた」、「インフレにしようと貨幣供給量を増...
紹介文から抜き出すと「経済全体の供給に対して需要が不足している限り、売れ残り分は新規の不良債権の発生因となるのだから、不良債権の「抜本」処理は困難」、「家計所得の約八割は消費に使われ貯蓄には二割しか回らないのに、経済理論は貯蓄ばかり論じてきた」、「インフレにしようと貨幣供給量を増やそうと,人々はモノを買わないし,買わなければ現実に物価は上がらない。この議論の誤りは貨幣を退蔵する理由をデフレに求めたところにある。人々は不安だからお金を使わない」、「インフレ目標論では、日銀総裁がインフレ目標を宣言すれば,それが政策目標として透明性と説得力を高めるといわれている。けれども、どのような調査にも、政治家や官僚をそこまで信頼しているという国民の評価は存在しない」など。「この10年の長期不況は、特定の理論的立場から離れられない経済論壇がもたらした」というスタンスで。
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