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ケンブリッジの哲学する猫 の商品レビュー

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7件のお客様レビュー

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2017/05/30

イギリスを舞台にした風変わりな数学のノンフィクション。 イギリスらしさというか独特のセンスというか、 この本を読んでも数学がわからないけど、 イギリスのユーモア感覚だけはよくわかる謎の書。 イギリス人によるイギリス人のための本を なぜ日本語訳したのかも謎。

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2012/12/17

ハヤカワ文庫NFにラインナップされているが、 そのまんまノンフィクションではなく、 数学者である著者の想いを登場人物に仮託して綴ったフィクション。 イングランド東部で生まれた「五にャん」きょうだいの中の一匹(♀)が ケンブリッジ大学のペンブルク・コレッジ(college=学寮)へ...

ハヤカワ文庫NFにラインナップされているが、 そのまんまノンフィクションではなく、 数学者である著者の想いを登場人物に仮託して綴ったフィクション。 イングランド東部で生まれた「五にャん」きょうだいの中の一匹(♀)が ケンブリッジ大学のペンブルク・コレッジ(college=学寮)へ赴き、 トマス・グレイと名付けられ、科学史・古代数学史が専門のファイスト博士と昵懇に。 彼女も様々な思索に耽っているらしい……が、 その何気ない動作を深読みし、 研究の進展に寄与してくれたと大喜びするファイスト博士がカワイイ。

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2011/05/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

古書購入  ……現代。ファンタジー?  ケンブリッジ大学にやってきた雌猫トマス・グレイ。それに絡む騒動。  トマス・グレイは小生意気です(笑)最初、彼女が知っていた最大数は4。就職斡旋をしてくれる老雌猫に聞かれた時に、彼女はこう答える。「貴方の知っている数より、一つだけ大きい」と。  老猫は思う。こんな小賢しい子はこの地域の平和のためにも、遠くにやるに限る。そしてトマス・グレイはケンブリッジへと行くように言われる。  ケンブリッジ大学では……なぜかトマスの餌代が予算に組み込まれ、トマスが仔猫を生むと学寮長はわざわざ晩餐会を開き(めったにそういう席に顔を出さなかったのに)、非常に遠まわしに3ページもかけて「分娩という行為によって……、かかる多数の仔の存在を……各自が自発的に持ち帰る」という提案を出す。  これが本当にありえる話なら、ケンブリッジって悪人がいなさそうな大学だ(笑)  トマスはトマスで猫のミイラを相手に、生きている幸せを語ったり、ある日学者と共に、数学的発見を見出して名誉を得て、そのことで色々と思い悩んで故郷に帰ってしまったり、その上、祖母の言っていた「無限」という存在に心惹かれて波頭を眺め続けたり。  マイペース。  難しい話も多いが、トマスに絡む人間の動きがユーモラス。トマスの親友で共同研究をした人間の学者ファイストもまごうことなく変人。

Posted byブクログ

2011/07/19

仮に、「哲学(考えに耽ること)対決、人間 vs 猫」なるものが開催されたとして、それはもう、猫の圧勝ではないでしょうか。「オックスブリッジ」などとまとめて言うこともありますが、これはやっぱり「ケンブリッジ」ならでは、かもしれません(これは私のテキトー勝手な印象にすぎません)。「ハ...

仮に、「哲学(考えに耽ること)対決、人間 vs 猫」なるものが開催されたとして、それはもう、猫の圧勝ではないでしょうか。「オックスブリッジ」などとまとめて言うこともありますが、これはやっぱり「ケンブリッジ」ならでは、かもしれません(これは私のテキトー勝手な印象にすぎません)。「ハヤカワ・ノンフィクション文庫」所収とはいうものの、応用数学者(米)による「純粋に偶然の所産」です。でも、数学は苦手でも算数がわかる方なら、どなたでも大丈夫。もちろんユークリッド幾何学にまで遡って「数学」好きの方には尚更のこと。当然ながら、猫好きの方にも。たくさんの挿画も、いいです。これも私の基準ですが、冒頭に地図が出てくる本に、「ハズレ」は少ない!!

Posted byブクログ

2010/05/01

ルイス・キャロル以来、イギリスには猫と哲学と数学が良く似合う。 科学エッセイかと思えば洒脱で粋で衒学的な小説であった。 正直、よくわからない部分もあるが挿絵と雰囲気と大まかな流れを楽しめれば充分かと思う。「アリス」もそういう作品だし。

Posted byブクログ

2009/10/07

そのユーモラスな優しい挿絵と猫に惹かれて手に取った本でしたが、これは(予想以上に)よかった、で☆ひとつ更に+…(笑)。 著者は、米国の応用数学者だが、イギリスのケンブリッジはペンブルク・コレッジに逗留した経験があり、そこを舞台に、トマス・グレイと名づけられ、愛された猫をめぐる人々...

そのユーモラスな優しい挿絵と猫に惹かれて手に取った本でしたが、これは(予想以上に)よかった、で☆ひとつ更に+…(笑)。 著者は、米国の応用数学者だが、イギリスのケンブリッジはペンブルク・コレッジに逗留した経験があり、そこを舞台に、トマス・グレイと名づけられ、愛された猫をめぐる人々と生活を描いたお話。 その哲学的で閑雅な思索の雰囲気を湛えながら、かなりユーモラスで楽しめる読み物になっている。 この思慮深いヒロインの雌猫トマス・グレイであるが、やがて、特に人間の主人公であるルーカス・ファイスト博士の研究に貢献し?伴侶をもたらし、と“なくてはならない猫”ながら、自らはあくまで自由な存在。 お話として、さらりとロマンティックな味つけもあり、詩的でもある。 さり気に、学問の意義や、生きる情熱とかいったことにも触れられ、軽やかでなかなか深い、また(後書きにあるように)“大人のための知的な癒しファンタジー”ともいえなくもない。 これなら、愛書家にふさわしく(ハードカバー版〈1992年社会思想社〉でもいいかも)紅茶でも飲みながら、ゆったり味わいたい感じですね。 世の喧騒から離れ、それこそ“きわめてゆるやか(レント・レンティッシモ)に”。(本文P205)

Posted byブクログ

2009/10/04

思索好きのメスネコは、地元の老ネコの薦めでケンブリッジ大学へやってきました。 かたぶつの数学者ファイストと心通わせるようになったのですが…… 1992年に社会思想社から単行本として刊行されたものの文庫化。

Posted byブクログ