天使の砂時計 の商品レビュー
“プチ家出”中の大里美華(16歳・高一)は、とある日の深夜に出会った、自称“スズキイチロー”という“不思議系”オヤジに、迷子の“マイ”と名づけられ、二週間をともに過ごすことになる。 マイの一人称で紡がれるこの作品は、改行やカタカナ表現が多用されている。 【ことしは&qu...
“プチ家出”中の大里美華(16歳・高一)は、とある日の深夜に出会った、自称“スズキイチロー”という“不思議系”オヤジに、迷子の“マイ”と名づけられ、二週間をともに過ごすことになる。 マイの一人称で紡がれるこの作品は、改行やカタカナ表現が多用されている。 【ことしは"寒い3月"だった。 「ココロが」ていうのは、去年も同じ"ひえびえー"の春だったけど。 こないだの3月は、マジ気温面で寒かったんだ。 トーキョーって、わりと"彼岸雪"ってのが、降る。 日本全国、春ムード!! でポカポカうきうきになってる、てのに。 ドカ雪。 積もる。(p.8 本文より)】 上記の抜粋のような、「感情が文字に直結する」という表現手法で書かれたこの作品は、その表現によって、マイの心情の機微が直球で伝わってくる。はじめて読んだときには表現手法に戸惑いを覚えたが、マイの眼がとらえた言葉や仕草が、登場人物を魅力的に語りだす過程はとても気に入っている。
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