歴史探索入門 の商品レビュー
【読書】歴史探索入門 史跡・文書の新発見 (角川選書 小和田哲男著)を読む。 あなたも歴史家の仲間入り。史跡を訪ね、歴史の証言を自分の力で発見する。歴史研究家が教えるプロの現場の歩き方。歴史の発見は、ここから始まる。 歴史の現場を訪ねて多くの研究成果をあげてきた著者が、自分流...
【読書】歴史探索入門 史跡・文書の新発見 (角川選書 小和田哲男著)を読む。 あなたも歴史家の仲間入り。史跡を訪ね、歴史の証言を自分の力で発見する。歴史研究家が教えるプロの現場の歩き方。歴史の発見は、ここから始まる。 歴史の現場を訪ねて多くの研究成果をあげてきた著者が、自分流の調査方法を一から教えてくれる。調べ方のノウハウから現地の人たちとの交流のマナーまでアドバイスと調査に役立つ基礎知識がいっぱい。探索の楽しみが倍増して、きっと何かが発見できる、待望の入門書。(平成15年刊) 第一章 歴史探索に必要な懐疑の眼 第二章 現地を歩くと見えてくるものがある 第三章 聞き取り調査の世界 第四章 地名・屋号は生きている 第五章 歴史の発見と古文書 第六章 知っておきたい現地踏査のルールとマナー 第七章 現地調査の基礎知識 本書は「歩く歴史学者」と評されたこともあるアウトドア派の著者が、「小和田流歴史調査法」を一挙に公開した本である。内容は趣味の本としてはやや敷居が高く、歴史学者を目指す学生あるいは、郷土史家向けの感じもする。歴史家がどのように調査するのかが解りなかなか面白いのであるが気になる点もある。 長篠の戦いについて、本書では「現地を歩いてみると、鉄砲1000挺ずつの一斉発砲というのが絵空事にように思えてくる」と否定的な見方をしている。一方、「集中講義織田信長」という平成18年刊の文庫本(親本の単行本は平成15年刊)では、「千挺なのか三千挺なのかの議論にはふみこまず、通説通りの三千挺で話を進める」としている。同時期に書かれた著作のなかで、見解に統一性が無いのは如何なものだろうか。小和田先生らしい気もするが、残念な点である。 聞き取り調査についても、史料を補完するもととして重要性は理解出来るのであるが、一つ間違えると、こじつけになりかねないような危険性を感じる。本書の事例を読んでも、聞き取り調査から導かれた結論は思いつきに近く論理が飛躍しておりイマイチ納得が出来なかった。 平成15年の刊行時に購入したものの読むタイミングを逃してしまったため、ずっと積ん読状態であった。すっかり背表紙は色あせてしまったが、興味深く読めた。本書を通して著者の体験に触れることが出来るのは大変貴重でありオススメである。
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「付近のお年寄りに聞いても、「天目山という山はないヨ」とのことであった。」とはじがきにあり、共感を得て読み始めました。私も武田氏の滅亡地である「天目山」を登山用の地図で探してみたことがあることを思い出しました。外に出て歴史を感じることが楽しみになる一冊です。 最終章には中世城郭の...
「付近のお年寄りに聞いても、「天目山という山はないヨ」とのことであった。」とはじがきにあり、共感を得て読み始めました。私も武田氏の滅亡地である「天目山」を登山用の地図で探してみたことがあることを思い出しました。外に出て歴史を感じることが楽しみになる一冊です。 最終章には中世城郭の基本的な知識が簡潔にまとめれています。城址を訪れて「どうして空堀はこんなに浅いのか?」「土塁って意外と低いなぁ」と感じた方には、すっきり理解できる解説が参考になると思います。 また、「短期間に日本で急速に広まった鉄砲の始まりが、なぜ種子島という小さな島からなのか…」という点に疑問に感じたら、ぜひ読んでみて下さい。
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