対論・筑紫哲也 このくにの行方 の商品レビュー
刊行から20年以上経った今読むと、楽観的な意見もあれば、現状をほぼ言い当ててる人もいて面白い。 筑紫さん同様に私も「世代責任」を考えて生きているつもりなんだけども、養老さん、緒方さん、野中さんあたりはそのへんを感じる発言が見られ、一方で経営者の皆さんはやや薄い印象を受けた。 (...
刊行から20年以上経った今読むと、楽観的な意見もあれば、現状をほぼ言い当ててる人もいて面白い。 筑紫さん同様に私も「世代責任」を考えて生きているつもりなんだけども、養老さん、緒方さん、野中さんあたりはそのへんを感じる発言が見られ、一方で経営者の皆さんはやや薄い印象を受けた。 (それよか利益や競争力上げていく方に力点置かれるのは当然よね。) そういう違いも感じ取れて面白かった。
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緒方貞子さんの記事が載っていたので借りてきた。 対談方式なので、一問一答式でわかりやすいかも。 緒方貞子さんはもちろん難民に関する内容。 他に、加藤周一さんが京都を挙げて崩れゆく日本文化と日本語について語っていてそれはかなり興味をひかれた。
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積読の解消。 2003年発行。10年近く経過する今だからこそ読んでみてよかった気がする。社会人数年目の発行当時に読んだんじゃ、あまりわからなかったこともある気がする。と同時に、2003年から変わらないままのこともあれば(悪い意味で)、当時の読み・推測が外れていることも多い。筑紫さんの洞察力のすごさにも、改めて脱帽。 ・カルロス・ゴーン曰く 社員のモチベーションを引き出すには、社員の会社に対する信頼を勝ち得ることが第一歩。 ・養老孟司曰く 学問はスルメづくりである。情報 は現在、過去、そして将来も固定化してしまうもの。世の常は、やはり「諸行無常」。変わり続けていくこと。 ・北野武曰く 人は、死がわからないから、みんなひたすら生きている。 ・出井伸之曰く 自分の会社は、今、何時なのかを自問する。
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筑紫さんがニュース23で対論したうちの8篇を本にしたもの。 対論の相手は、カルロス・ゴーン、養老孟司、加藤周一、緒方貞子、奥田碩、野中広務、北野武、出井伸之。 対論の相手もいいし、うまく核心の話を引き出す筑紫さんもいい。 たとえばゴーン。僕はあまりゴーンさんが好きではなかっ...
筑紫さんがニュース23で対論したうちの8篇を本にしたもの。 対論の相手は、カルロス・ゴーン、養老孟司、加藤周一、緒方貞子、奥田碩、野中広務、北野武、出井伸之。 対論の相手もいいし、うまく核心の話を引き出す筑紫さんもいい。 たとえばゴーン。僕はあまりゴーンさんが好きではなかったけれど、このインタビュー内容が本心ならこの人は凄い人だと思う。 筑紫:ゴーンさんが日産を再生できたのは外国人だから、という意見があることはご存じですね。外国人だから問題に対処しやすく、大変革ができたと・・・。 ゴーン:そうは思いません。ただし、私が日産のアウトサイダーであるということは、とても重要だったでしょう。私が日産にずっと関わってきた人間だったら、改革を成し遂げようとしてもなかなか信用されなかった。どうしてもっと前に実行しなかったのか、会社を衰退に導くような決定に関与したとき、なぜ止めなかったのか、と問われますからね。 それは日本人でも外国人でもよかった。自動車業界での経験が豊富で、新しい環境に対応できる開かれた精神を持ち、外国の経験も豊富な日本人なら、なおよかったでしょう。」 ゴーンさんが並のガイジンだったら最後の言葉はなかったろう。「俺がすごいからできたんだ」と言っただろう。僕もゴーンさんと同じように思う。日本で第二位の自動車メーカー:日産。桜井真一郎のスカイラインなど、技術の日産としてある面ではトヨタを凌駕していた日産が自ら変革することができず、しがらみのない、しかも外国人を迎え入れなければ変われなかったことが同じ日本人としては残念だ。まさにそれと同じことをゴーンさんも感じていた。 ゴーンさんに限らず、この本に対論者として登場する誰もが皆一流の人だ。 緒方貞子さんも凄くいい。 筑紫さんが「このくに」に希望をもつために一体何を見、何をすればいいのか。この本が出たのは2003年の12月。その時から必ずしも世の中がよくなっているとは思えない現代日本の若者に読んで欲しい。
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筑紫哲也の対談集。この人のいつものスタイルで、対談前から頭の中でストーリーが構築されてあって、対談がそのストーリーに従って進んでゆく、と言う脚本型対談、かな? 冒頭のカルロス・ゴーン氏のは、翻訳のせいなのか、最後まで論点が噛み合ってないような気が…。いずれまた2回目に読んだときは...
筑紫哲也の対談集。この人のいつものスタイルで、対談前から頭の中でストーリーが構築されてあって、対談がそのストーリーに従って進んでゆく、と言う脚本型対談、かな? 冒頭のカルロス・ゴーン氏のは、翻訳のせいなのか、最後まで論点が噛み合ってないような気が…。いずれまた2回目に読んだときはそんな風に感じないことを願う。
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年末のこの機会に、日本っていう国について考えてみようと思って手にとってみた。年末特集の予習の意味で。 建築をやってる身としては、加藤周一氏の指摘が面白かった。 情報が多すぎて、守るべきものを見失っているという指摘は正しいのかもしれないが、それなりにその中でもがいてきた身と...
年末のこの機会に、日本っていう国について考えてみようと思って手にとってみた。年末特集の予習の意味で。 建築をやってる身としては、加藤周一氏の指摘が面白かった。 情報が多すぎて、守るべきものを見失っているという指摘は正しいのかもしれないが、それなりにその中でもがいてきた身としては、信念を持ってやっているつもりでいる。 愚痴を言ったり、卑屈になることは簡単だ。でも、そんなことばかりできないほど、普段の生活は、新聞の記事に連動するようになってきた。 情報はただ流れているモンであり、とらえ方によっていかようにも聞こえてくる。まさに鐘の音は、諸行無常の響きありってとこだな。 その日の気分で「同じ流れが違って見える」ぐらいのゆとりを持っていきたいというのが感想。
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