次元パトロール の商品レビュー
「次元パトロール」です。「時間(タイム)パトロール」ではありません。 本書でいう「次元」とは、今でいう「パラレルワールド」のことです。 タイムパトロールというと、過去に戻って歴史を改竄しようとする悪人どもから歴史を守る話なのですが、「次元パトロール」だと、ちょっと複雑です。 ...
「次元パトロール」です。「時間(タイム)パトロール」ではありません。 本書でいう「次元」とは、今でいう「パラレルワールド」のことです。 タイムパトロールというと、過去に戻って歴史を改竄しようとする悪人どもから歴史を守る話なのですが、「次元パトロール」だと、ちょっと複雑です。 タイムパトロールなら歴史改竄を防ぐのが任務なのですが、「次元パトロール」の任務はよく分かりません。 むしろ積極的に介入して歴史をコントロールしています。 復刊版(冒険ファンタジー名作選)・黄色版(SFこども図書館)のタイトルは「次元パトロール」ですが、旧版(SF世界の名作)(赤表紙版)のタイトルは『時間かんし員』。 旧版のタイトルは内容と合っていませんね。 黄色版に改訂する際、改題したのは正しいと思います。 「次元パトロール」の任務は、元来いるその世界の人々による成り行きに任せず、積極的に介入して歴史をコントロールすること。 よく考えると、倫理的にどうなのか。 主人公コンビはオレーユ老人の指示に従ってパラレルワールドの歴史に介入し、歴史を変えています。 このオレーユ老人は一体何の権限があって他の世界に介入しているのでしょうか。 確かに本作品ではオレーユ老人の指示は正しいように思います。 パラレルワールドでのさばる軍国主義勢力を倒し、戦争を防ぐことができました。 人間の世界ではどうしても自分中心的で暴力的・攻撃的な勢力がのさばる傾向にあります。 一般の人は抵抗すると怖いのでそういう勢力に従ってしまいます。 そういう事態を防ぐためには、他の次元からの介入も必要なのではとも思えます。 しかし他の次元の歴史に介入するからには、倫理的・人道的な判断力が必要ではないでしょうか。 もしオレーユ老人のような立場の人間に倫理感が欠けていたら、自分が独裁的な支配者となってやりたい放題になってしまうでしょう。 著者のサム・マーウィンジュニアはアメリカの人物。 確かに彼が執筆活動していた頃は太平洋戦争が終了して米ソ冷戦が激しかった時代。 アメリカも世界の警察官として外国の政治に介入していました。 そういうアメリカ的な世界観も反映されているのでしょう。 https://sfklubo.net/manyworlds/ http://sfkid.seesaa.net/article/470446341.html
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柔軟な子供の頭だと、素直に読めるんだろうなぁ。いきなり「あなたたち、時間監視員になりましたよ。」と言われて、活躍を始める主人公たちに違和感が拭えなかったんだけどラストでそういうことだったのね!が明かされスッキリ。
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