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日蓮 の商品レビュー

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2015/08/21

穏当、妥当な評伝。学術的な基盤は確か。信仰という次元まで肉薄できているかは疑問だが、熱原の法難については別格。意義がよく分かる。 ・〈融和主義〉は伝統仏教教団が、教団相互、及び教団と国家権力との平和共存の理論的根拠として編み出した、きわめて政治的な主張だった。(P302) ・事...

穏当、妥当な評伝。学術的な基盤は確か。信仰という次元まで肉薄できているかは疑問だが、熱原の法難については別格。意義がよく分かる。 ・〈融和主義〉は伝統仏教教団が、教団相互、及び教団と国家権力との平和共存の理論的根拠として編み出した、きわめて政治的な主張だった。(P302) ・事の戒壇はありうる。(P317) ・中山法華経寺は富木常忍の開基。(P335)

Posted byブクログ

2012/07/29
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※このレビューにはネタバレを含みます

膨大な日蓮研究の成果をふまえ、その足跡を精緻に裏づけた質の高い評伝。神話と史実が腑分けされ、一個の人間・思想家としての日蓮像を明らかにする。同時に中世という時代の相貌を活写する。『日本中世の国家と仏教』と併せて読みたい。 はしがきより「日蓮の一つひとつの言動は、それが発せられた状況と場を離れては、生命の通わないただの鉄片にすぎない。日蓮の宗教者としての魅力は、それらの鉄片を引き寄せ命を吹き込んでいく、強烈な信念の磁力にこそ存在するのである」。

Posted byブクログ