逃げないお父さん の商品レビュー
愛は毒にも薬にもなる。 溺愛して子どもをスポイルしないようにしなければならない。 子どもの愛し方について、時々立ち止まって反省してみることが大切である。 愛情が与えられないと肉体の成長も止まるという事例がある。恐ろしいことだ。 子どもは三歳までに親孝行をすませているという言葉があ...
愛は毒にも薬にもなる。 溺愛して子どもをスポイルしないようにしなければならない。 子どもの愛し方について、時々立ち止まって反省してみることが大切である。 愛情が与えられないと肉体の成長も止まるという事例がある。恐ろしいことだ。 子どもは三歳までに親孝行をすませているという言葉があるようだ。いま僕はそれを実感している。 感情のおもむくままに子どもをかわいがるのではなく、どういうかかわり方が子どもの成長にとって好ましいか、冷静に判断する理性が必要になる。 親をやらせてもらうことで、自分も成長する。 文中に登場する野中真理子監督"こどもの時間"という映画を見てみたい。 "知・情・意"を大切にする。 これは知性・感情・意志を示している。 知は知識、情は優しさ、意はたくましさのことを著者は言っている。これらのバランスが大切である。 はっきりとした言葉で意志を伝える。 自分には欠けがちであるので意識して気を付ける。 ゆとり教育とはエリート教育の別名であることを当時の構想を練った審議会の会長(三浦朱門氏)の談。 できない子はできないままでよく、一握りのエリートを確実に養成できればよい。何とも言えない気持ちになる。今はそれを是正する方向に動いていると思う。 家庭における人間関係は無条件の愛によって構成されなければならない。 特に外で競争原理にさらされている今は大事なことである。 同調競争=みんなが競争に参加するから、自分も安易に同調して参加するのはよくない。 つまり主体性のないまま競争に参加するのがよくない。 子育ての過程は家族づくりの過程でもある。 山田洋次氏の著作"十五才"では一人前になることは相手の弱さや悲しみを理解することとある。 わが子をそうした意味で一人前になる為にはどうすればよいかが最大の課題である。 文中には度々著者自身に触れられている場面があるが、最終章の赤裸々な部分(浪人時代の引きこもり)は驚き、著者のご両親の態度に感服する。 作品名の通り子どもから逃げないことが子育ての基本であることを再度確認出来た。良書。
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図書館でふと見つけて読みました。お父さんとして子どもとどう接すれば良いか、いろんな人の意見を聞いておくのもいいかと思って。著者は保護監察官という仕事をされています。できればその仕事を通して出会った、子どもや家族の具体的な話があればよかったのですが、守秘義務などもあるのか、ほとんど...
図書館でふと見つけて読みました。お父さんとして子どもとどう接すれば良いか、いろんな人の意見を聞いておくのもいいかと思って。著者は保護監察官という仕事をされています。できればその仕事を通して出会った、子どもや家族の具体的な話があればよかったのですが、守秘義務などもあるのか、ほとんどそういう話はありません。前半はちょっと退屈しながら読みました。自分がいつも感じていることとそれほど大差がなかったから。ただ後半に入って、著者自身の家族についての話が出てくると読み応えがありました。2人の娘は中学受験をしたとのこと。中学入試に対してどちらかというと否定的な著者が、次女の受験を通して感じたことは、私が常々受験生の保護者に対して話していることと重なります(受験を通して一回り大きくなる。挫折の経験も必要。努力は報われるということと同時に、努力をしてもだめなこともあるということに気づく。などなど)。また、著者自身が高校卒業してから1年間ひきこもっていた時期があるという話を読むと、この1冊の本の重みがずいぶんと違って感じられたのでした。最後に山田洋次監督の映画の話が出てきますが、ぜひ観てみたいなあと感じました。ここでもまた、読書からの新たな広がりを感じます。これも一つ偶然の出会いなのでしょう。
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もともと旦那が選んだもの。子育て本関係の中でも、現実味があって説得力があるように思えました。先生ぶっていない風がよい。
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