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アダム・ミュラー研究 の商品レビュー

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2016/04/07

「政治的ロマン主義」を代表する人物として知られるアダム・ミュラーの本格的モノグラフ。軸となっているのは、ミュラーがアダム・スミスをどのように受容しどのように批判したのか、という問いである。これは受容史をめぐる問題であると同時に、ミュラーが生きた当時のドイツでもアダム・スミスの『国...

「政治的ロマン主義」を代表する人物として知られるアダム・ミュラーの本格的モノグラフ。軸となっているのは、ミュラーがアダム・スミスをどのように受容しどのように批判したのか、という問いである。これは受容史をめぐる問題であると同時に、ミュラーが生きた当時のドイツでもアダム・スミスの『国富論』が脚光を浴びていたこともあり、同時代の様々な思想とミュラーがどのように対峙したのか、という問題でもある。E. R. フーバーのミュラー論が一つ鍵となる研究になっているが、ミュラーの政治体制論だけではなく、彼の経済観・社会観を総合的に取り扱っている。また随所で現代経済学とミュラーの思想の関係が論じられており、一個の経済学史という読み方もできるだろう。

Posted byブクログ