黒い白鳥 の商品レビュー
黒いトランクと並ぶ、…
黒いトランクと並ぶ、鮎川哲也の本格物の二大双璧である。ある作家が二つのトリックの内、メインの方は成立しないとの異論を唱えたそうであるが、27年後に現実に起こったため、謝罪したとか。
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作中に織り込まれた2…
作中に織り込まれた2つのトリックが華麗にして見事。著者の代表作といって良いでしょう。
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労働争議のさなかに殺…
労働争議のさなかに殺された社長の死の謎を鬼貫警部が追う。鬼貫警部の行動範囲が広く、トリックが徐々に明らかになっていくのを楽しめる名作である。
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評価は4。 内容(BOOKデーターベース) 労働争議に揺れる東和紡績の常務令嬢敦子と、労働組合副委員長の鳴海は恋人同士。さながらロミオとジュリエットだが、社長の死を契機に労使間は雪融けを迎えつつあり、二人の春も遠くはない。その気分も手伝ってか、敦子は社長殺しの一件を探偵しようと提案。怪しいと目星をつけた灰原秘書のアリバイ捜査に赴いたバー『ブラックスワン』で、鳴海は事件の鍵を握る人物と出遇う。第13回日本探偵作家クラブ賞受賞作。 鬼貫警部シリーズ。 2時間サスペンスに持ってこいの内容だった。犯人は・・・・はは~ん過去をバラされたらおしまいだわ。と追い詰められた末の犯行ね。
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鉄道ミステリーはあまり好みじゃないですが、いかにして謎が暴かれていくのかには興味があるので最後まで楽しめました。探偵もののような派手さはなく地味ですが、時代背景が興味深いです。(メインの事件は下山事件を連想させます) 巻末の有栖川氏の文によれば鉄道ミステリーを確立し、リアリズムの...
鉄道ミステリーはあまり好みじゃないですが、いかにして謎が暴かれていくのかには興味があるので最後まで楽しめました。探偵もののような派手さはなく地味ですが、時代背景が興味深いです。(メインの事件は下山事件を連想させます) 巻末の有栖川氏の文によれば鉄道ミステリーを確立し、リアリズムの捜査小説と本格ミステリーを融合させた鮎川氏の代表作とのことで、推理小説を知るのに頑張って読んでみるのもいいと思います(合わなければ自分の好みを知ることができますし)
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漠然とした手掛かりを頼りに、東京から京都、大阪、更に福岡まで飛び、執念で容疑者を絞りこむプロットはとても読み応えがあります。 鉄道を利用した二つのアリバイトリックは独創的で秀逸です。特にメインのアリバイトリックは単純にして大胆。伏線もきめ細かく、申し分のない出来です。 前半のスト...
漠然とした手掛かりを頼りに、東京から京都、大阪、更に福岡まで飛び、執念で容疑者を絞りこむプロットはとても読み応えがあります。 鉄道を利用した二つのアリバイトリックは独創的で秀逸です。特にメインのアリバイトリックは単純にして大胆。伏線もきめ細かく、申し分のない出来です。 前半のストライキや新興宗教の部分はやや冗長な気がしましたが、作品の完成度は高く、探偵小説のお手本のような作品だと思います。
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鬼貫警部シリーズ 久喜駅付近で発見された射殺死体。被害者は東和紡績の社長・西ノ幡豪輔。労使抗争に揺れる東和紡績。容疑者としてあがった組合側の指導者たち。東和紡績に関係の深い新興宗教団体の信者・知多半平。知多の容疑が色濃くなり、アリバイトリックの共犯者とみられる樽山源吉の殺害事件が起きるが・・・。発見された知多の遺体。声優・村瀬の目撃した事実。交通事故により重体となった村瀬と組合の副委員長・鳴海秀作。死の直前西ノ幡社長が訪れた貸し金庫。貸し金庫の中の半分にちぎられた写真。菱沼文江の勧める縁談。文江の過去の秘密。 2011年1月6日読了
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妥協を許さない鬼貫の捜査方針は時には呆れてしまうが、本作も粘り勝ちで犯人を追い詰めている。たった一本の糸を手掛かりに足を使って捜査するシーンが強く印象に残る。メイン、サブともに鉄道トリックを用いた希少な作品である。ともすれば、危険なトリックになりうるかも知れないものを、作者は堂々...
妥協を許さない鬼貫の捜査方針は時には呆れてしまうが、本作も粘り勝ちで犯人を追い詰めている。たった一本の糸を手掛かりに足を使って捜査するシーンが強く印象に残る。メイン、サブともに鉄道トリックを用いた希少な作品である。ともすれば、危険なトリックになりうるかも知れないものを、作者は堂々と論理的に披露している。レールに乗って一級の本格ミステリを堪能するのもいいが、たまには推理に参加したいものだ。
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