みどりのコミュニティデザイン の商品レビュー

中瀬勲(編者),林まゆみ(編者)

2012/04/01

本書は阪神・淡路大震災後、みどり・花を媒介にして、NPO団体などが支援をしながら市民によるコミュニティ再生の取り組みが書かれている。その取り組みから、みどりや花を媒介にしたコミュニティデザインの可能性が述べられている。東日本大震災からの復旧・復興活動やコミュニティガーデンづくりに取り組んでいる中、本書の中に多くのヒントがあり、うなづけるところが沢山あった。本書に書かれていたが、自分（利己的）のための花やみどりが、他人（利他的）に対して楽しみを提供し、その結果、環境が良くなるという具合に、自分の楽しみや趣味がコミュニティづくりにつながっていく。公園づくり、ビオトープづくりなど物理的な空間整備に対して主眼が置かれていてしまうが、そのプロセスをどのようにデザインするか、多様な主体（地域、NPO、行政）がひざを突き合わせて、議論しあうことが大切だと思う。