行動の構造 の商品レビュー
最初の章で反射、次の章でイヌやチンパンジーなどの高度な行動を扱う。検討されるのは心理学の実験結果とその解釈だ。パブロフやケーラーの実験結果の実際の広さと限界が学べた。心理学の教科書で軽く学んだのとは印象がガラリと変わった。 後半2章では、人間の身体と精神の問題を念頭に置きながら...
最初の章で反射、次の章でイヌやチンパンジーなどの高度な行動を扱う。検討されるのは心理学の実験結果とその解釈だ。パブロフやケーラーの実験結果の実際の広さと限界が学べた。心理学の教科書で軽く学んだのとは印象がガラリと変わった。 後半2章では、人間の身体と精神の問題を念頭に置きながら、議論が進む。味読したい記述に数多く出会った。
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メルロ=ポンティの思想はそのスタンスが、しばしばわかりにくい。読んでいてもこの先彼が何を言おうとしているのか予測がつかない場合が多くて、そのために奇妙な「読みにくさ」を感じてしまう。 この本はメルロ=ポンティの処女作だが、いきなり反射とか刺激、器官をめぐって、自然科学的な叙述が続...
メルロ=ポンティの思想はそのスタンスが、しばしばわかりにくい。読んでいてもこの先彼が何を言おうとしているのか予測がつかない場合が多くて、そのために奇妙な「読みにくさ」を感じてしまう。 この本はメルロ=ポンティの処女作だが、いきなり反射とか刺激、器官をめぐって、自然科学的な叙述が続く。パブロフなど行動主義心理学を批判し、ゲシュタルト心理学も部分的に批判していったとき、突如、ハイデッガーのような現象学/実存主義哲学のような語彙が飛び出す。これは面食らう場面だった。 しかし最後まで読み通したとき、「わかりにくい」ことには変わりないが、著者が哲学という「ジャンル」を飛び越え、心理学、生理学といった分野にまでわたる広範な博識を駆使して、緻密に思考を重ねてきたのだ、という事実に圧倒される。 やはりこれは傑出した書物だと思う。 ついでに「知覚の現象学」も読み返したくなってきた。この大部の著書を再読し終えたら、もう一度この本を読み返してみたい。 それだけ価値ある、奥深い本だと感じる。 ところで、メルロ=ポンティの生理学的な記述は、こんにちの自然科学の進歩した展望からみてどの程度的確で、どの程度批判されうるのか、そこを知りたい。
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