誰のため何のために福祉で働くのか の商品レビュー
現場で働いていた人の自叙伝としてはこれまでで一番良かった。福祉の現場にいると、ニーズに基づいてサービスを提供するのではなく、サービスがニーズを規定し、それで終わってしまう例がある。しかし、著者のように、ニーズに答えられなければ運動し、提案し、勉強する。そして、新たなニーズに常に答...
現場で働いていた人の自叙伝としてはこれまでで一番良かった。福祉の現場にいると、ニーズに基づいてサービスを提供するのではなく、サービスがニーズを規定し、それで終わってしまう例がある。しかし、著者のように、ニーズに答えられなければ運動し、提案し、勉強する。そして、新たなニーズに常に答えようと必死になる。このスタンスは、現場人たちが総じて見習うべきものだ。 もちろん、現実がそう上手くいかないことはわかっている。大事なのは、できないということで自分を正当化して、ぬるま湯に浸かろうとしないこと。まずニーズを丁寧に拾おうとする姿勢は、本書が一番伝わってきた。 それでも組合色が強いのは正直苦手なのだけど、本書のような市民の福祉向上の目的に奔走する組合は、とても素敵だ。
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