尾崎翠集成(下) の商品レビュー
不遇の作家、忘却の系譜。 哀感と嘆き、 祈らない心。 かの作家の一生と憂いを この一冊に垣間みる、 メタ・リアルな体験。
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他人とは、自分と違っているから良いものである。 とだれかが口にしていたことを思い出しました。世界を輪切りにしたときに、その人がどうやってその世界の側面や中身や表面を綴っていくのか、それがとても見ものだと。 《尾崎翠》の名前を始めて知ったのは《第七官界彷徨》や《アップルパイの午後...
他人とは、自分と違っているから良いものである。 とだれかが口にしていたことを思い出しました。世界を輪切りにしたときに、その人がどうやってその世界の側面や中身や表面を綴っていくのか、それがとても見ものだと。 《尾崎翠》の名前を始めて知ったのは《第七官界彷徨》や《アップルパイの午後》を知ったときでした。艶めかしく、それでいてさっぱりとしていて、現実を突きつけられて砕けそうな決心にも揺るがない何かを見出せるようで、とても細やかな世界が描かれていると感じます。霧の濃い朝方や、雨のしとしと降っているなかで読むと更に魅力が増していくような、そんな気がします。 ※ちなみに、上巻は未読。 (2009.05.16)
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