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「日本文明」の真価 の商品レビュー

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2010/04/23

 この種の日本文化の価値は、世代によって受け止め方が異なっている。著者は大正生まれの人。私は昭和生まれ。今は団塊ジュニアの世代。平成生まれの人も今年で成人になった。明治生まれの人もまだ残っている。どの世代にとっても「我が日本国」が棲家である。その棲家を愛せるか、愛せないかは本人自...

 この種の日本文化の価値は、世代によって受け止め方が異なっている。著者は大正生まれの人。私は昭和生まれ。今は団塊ジュニアの世代。平成生まれの人も今年で成人になった。明治生まれの人もまだ残っている。どの世代にとっても「我が日本国」が棲家である。その棲家を愛せるか、愛せないかは本人自身を自ら愛せるか否かによって異なる。  自らを愛せる資質の人は、グローバルな相対化思考を駆使できるレベルに達すれば、この種の「日本真価」は自己アイデンティティの肥やしにはなるだろう。なにしろ、気恥ずかしいくらいの、驕り高ぶった「日本文化」への賛辞のオンパレードがこの本には並んでいる。そしてその深層心理には虚栄な、勝ちたいだけの本能が無意識化されている。この心理は「誇りをもとう」という美化された言葉で覆われているものだから知らず知らずのうちに納得してしまうのである。科学的知見を超えて、こじつけ的な評価もあり、相互に矛盾しあう「真価」の説明があって、誇りの獲得が虚空へと散乱し催眠状態へと陥る手法である。それは、やはり、始めに我が列島文化が、唯一世界最高のものとの決め付けによって、あらゆる知見が採集されているからであろう。いあわば「日本の常識は世界の非常識」の部分を一等の価値として位置づけようとする強引さが見え見えなのである。とりわけその価値が風土によって決定ずけられているという知見を著者が出したことによって、日本文化の真価はいっきに弱められることになってしまった。残念である。

Posted byブクログ

2009/10/10

“日本こそ近代中国の師匠だった”、“日本の鉄道はなぜ時間が正確か”、“日本語には「手」のつく言葉が1000以上”、“「立たされる」という懲罰は日本だけ”……等々、日本のことをとことん見つめ直せる一冊。

Posted byブクログ