雷蔵好み の商品レビュー
評論家や研究者の解説本ではなく、大御所の随筆なので取材が限定的。いくら大先生でも雷蔵本の付け合わせに自分語りを投入しなくても良いのに、とは思った。 ただし、若山・勝兄弟の舞台への協力頻度・姿勢への指摘(古典芸能をベースとする同志として思い)は鋭く、それらを含む映画進出後の舞台実...
評論家や研究者の解説本ではなく、大御所の随筆なので取材が限定的。いくら大先生でも雷蔵本の付け合わせに自分語りを投入しなくても良いのに、とは思った。 ただし、若山・勝兄弟の舞台への協力頻度・姿勢への指摘(古典芸能をベースとする同志として思い)は鋭く、それらを含む映画進出後の舞台実績を調べあげた上で、そして養父寿海の勲章を踏まえ、雷蔵の晩年の歌舞伎への思いを推察している下りはさすが。そしてその思いの果てに雷蔵は歌舞伎ではなく新劇に向かうも果たせなかったことになる。残念。
Posted by
- 1