図説 日本の植生 の商品レビュー
写真や図入りで説明し…
写真や図入りで説明しているので、一通りは日本の植生がどのようになっているのかを理解することができると思う。その上で自然保護・環境問題を考えるのもいいのではないだろうか。
文庫OFF
興味本位で読んでみました。なかなか難しい部分もあるので、辞書的な使い方をしていこうかと思います。写真もあって内容は充実していると思います。
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日本は山国であり、海国でもあり、南北東西に細長く、四季折々の多彩な自然環境の中に位置している。 植物の群落分布、いわゆる「植生」の面でも極めて多様なわけだが、それぞれ代表的な樹種や環境別に62の章を設け、日本の津々浦々までをくまなく眺め渡した本である。 非常に普遍的な内容なの...
日本は山国であり、海国でもあり、南北東西に細長く、四季折々の多彩な自然環境の中に位置している。 植物の群落分布、いわゆる「植生」の面でも極めて多様なわけだが、それぞれ代表的な樹種や環境別に62の章を設け、日本の津々浦々までをくまなく眺め渡した本である。 非常に普遍的な内容なのでこれでいいんだろうけど、原著が1970年代に書かれたものであり(2002年に文庫として復刻された)、文庫収録の頃にはすでに消失した景観があるなど、やや古さを感じさせる。 それでも、例えば照葉樹ってどういうものだっけ、湿地帯の基本植生ってどんなだっけ、と思った時に、またパラパラとめくってみたくなるところが名著たるゆえんであろう。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
人為的退行遷移も詳細に記述している。確かに、かなり古い書であり、植生状況は現代とは違ってきているのだろうが、それよりも本書から汲み取るべきテーゼは、ススキを含め、草原になってしまったら、爾後の管理には相当の注意が必要だ、という観点。◆2002年(底本1975年)刊行。著者沼田眞は千葉大学名誉教授。同岩瀬徹は元千葉県立千葉高等学校教諭。
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森林、湿原、水辺、草原のほか、竹林、雑草、人里植物、帰化植物、干拓地など、あらゆる植生について解説されている。教科書的だが、わかりやすく書かれているので勉強になる。 ・落葉広葉樹林帯の先駆種は、アカマツ、カラマツ、シラカンバなど。 ・アカマツは乾燥しやすい貧栄養の土地で育つ。ア...
森林、湿原、水辺、草原のほか、竹林、雑草、人里植物、帰化植物、干拓地など、あらゆる植生について解説されている。教科書的だが、わかりやすく書かれているので勉強になる。 ・落葉広葉樹林帯の先駆種は、アカマツ、カラマツ、シラカンバなど。 ・アカマツは乾燥しやすい貧栄養の土地で育つ。アカマツ林が広がったのは、人為作用が繰り返された結果(p168)。 ・常緑針葉樹林帯の先駆種は、カラマツ、ダケカンバ。 ・暖かさ指数は85度以上だが、寒さ指数は-10度以下となる地帯には、イヌブナ、クリ、アカシデ、コナラ、イヌシデ、ムクノキなどの暖温帯落葉樹林がはさまる(p162)。 ・高山帯を代表する植生はハイマツ低木林。積雪による庇護が少ない風衝地では、小型低木の高山風衝ヒース(ハイデ)が広がる。 ・浅い沼にヨシなどが侵入して植物遺体が堆積すると低層湿原になる。酸性化した貧栄養の土壌に耐えられるミズゴケが成長して丘状に盛り上がったものがブルトで、それが全体が盛り上がったものが高層湿原(尾瀬ケ原、八島ヶ原が代表的)。 ・泥炭の堆積速度は1年に1mm。 ・地下水位が高い湿地にはハンノキ林やヤチダモ林が形成される。水位の低い湿地の植生はエノキ、クヌギに代わる。 ・水辺の水際にはヒメガマやマコモ、河川敷にはヨシ、より高いところにはオギが生育する。ヨシやオギが刈り込まれると、セイタカアワダチソウが侵入する。 ・本州の海岸部にはクロマツ林が、北海道の海岸部ではカシワ林が見られる。 ・高山帯を除いて、日本の気候はほとんどの場所が森林の成立しうる条件を持っているため、草原の大部分は人為作用によって保たれている。 ・関東地方の草原ではススキの中にアズマネザサが混じることが多く、西日本ではネザサが主要でススキやシバが加わる。東北地方を中心とした冷温帯地域ではシバが優占種となる。 ・竹林は遷移の途中相であり、人手が加えられなければ落葉広葉樹や照葉樹林の樹種が侵入して移り変わっていく。スギの造林地は竹の生育条件と似ているため、竹が広がることもある。 <追加調査> ヨシ:イネ科ヨシ属。ヨシズに使われる。 オギ:イネ科ススキ属。草丈は1〜2.5m。ヨシよりは乾燥した場所を好むが、ススキが生えるほど乾燥した場所には生育しない。 茅葺(かやぶき)の茅はススキやチガヤ、ヨシ。藁葺の藁は稲藁、麦藁。 http://www.hirahaku.jp/web_yomimono/tantei/ogkensak.html http://tamatsubame.txt-nifty.com/news/2004/07/post.html http://oba-shima.mito-city.com/2011/12/01/shimagaya2/
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その名の通り、日本の植生の概観をまとめたもの。 60項目に分かれており、写真や資料が豊富に挿入されている。 朝倉書店刊『図説 日本の植生』を底本としており、1960~70年代の情報が元になっている。 このため現在においては、すでに絶滅したり遷移が進んでしまった植物群落も...
その名の通り、日本の植生の概観をまとめたもの。 60項目に分かれており、写真や資料が豊富に挿入されている。 朝倉書店刊『図説 日本の植生』を底本としており、1960~70年代の情報が元になっている。 このため現在においては、すでに絶滅したり遷移が進んでしまった植物群落も多いことが若干残念ではある。 しかし、内容そのものは現在でも十分に価値があり、沼田氏の業績は今後も高く評価され続けるに違いない。 やや高度な内容が含まれるので、農学部で生物を専攻しており、植生に強く関心を持っている人向けの本だろう。
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