敢闘言 の商品レビュー
世間のうそを読んでか…
世間のうそを読んでから、この本を読みました。2冊を通し、かなり世間の見方を学んだ気がする。
文庫OFF
いい加減な文章を乱発…
いい加減な文章を乱発している人たちのいい加減さが、浮き彫りされてよくわかった。
文庫OFF
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
1993年から2002年の10年間に書かれたコラムに、出版当時(2002年)の追加コメントを記したもの。 10年前の時事ネタは懐かしく読めるけど、干支二回り前となるとさすがに思い出せない出来事も多く、当時すでに大人だった身としてはちょいと恥ずかしい。 ダイヤルQ2が問題になって、PHSがおおいに売れた頃。 まだパソコン通信すら一般的ではなく、筒井康隆が断筆宣言をした年から、小泉首相が誕生する直前までの文章は、隔世の感があるほど懐かしいものがある半面、一周まわって今と同じ状況の者もあって面白い。 著者が全方向にケンカ売って回るのも変わらない。 そんななか、まさかの日垣隆がSMAP論を。 阪神淡路大震災の頃、SMAPが世間に認知された。 「頑張りましょう」を聞いて励まされたという人が多くいて。 “これまでのパターンでは、グループの人気が峠を越えてから個人の生存競争が始まったのだが、SMAPは最初から個人の顔を売った。従来の微分型に対してSMAPは積分型といえる。(中略)微分時代には人気番組に出ることがアイドルの常道だったのに、積分時代のSMAPは、先月「24時間テレビ」のパーソナリティをやったら歴代二位の視聴率を記録、というように、彼ら自身がメディアになっている。”1995・10・3 最近の政治状況にあまりに酷似しているのでびっくりな “自己組織に対する全面肯定と、他者に対する全面否定。これはファシズムそのものである。全員が同じ語彙で同じ論理を展開する。それは必ず独善主義と一体となる。とても哀しい現象だ。”1993・11・30の記事に対する追加コメント 少し長い引用ですが、1945年8月15日の天皇(当時11歳の皇太子)の日記と、それに対する昭和天皇の手紙。 “「戦は負けました。それは英米の物量が我が国に比べ物にならない程多く、アメリカの戦争ぶりが非常に上手だつたからです。……その原因は日本の国力がおとつてゐたためと、科学の力が及ばなかつたためです。それに日本人が大正から昭和の初めにかけて国の為よりも私事を思つて自分勝手をしたために今度のやうな国家総力戦に勝つことが出来なかつたのです。」 九月九日、「父より 明仁へ」との手紙が日光に届く。 「敗因について一言いはしてくれ わが国人が あまり皇国を信じ過ぎて 英米をあなどつたことである わが軍人は 精神に重きをおきすぎて 科学を忘れたことである」”1994・6・28 過去は時折こうやって振り返ってみないと、すぐに忘れちゃうからなあ。 忘れたことは、なかったことに簡単に流されちゃうからなあ。
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日垣隆さんのコラム<敢闘言>の文庫版。短い文章の中で、これほど内容を詰めて十分説得させられる。いろいろ考えさせられる素晴らしい一冊です
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