フク・ホロヴァーの生涯を追って の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
高校で世界史を教える著者がチェコを旅した際にふと漏れ聞いた最近までチェコで生きていた明治の日本に関する情報。その女性に惹かれ、謎の人物を追ってチェコへ、そしてフランス、米国、中国、英国へ情熱を傾け親族(孫、曾孫ほか福の兄弟姉妹の子孫、夫の親戚)に会う著者。埋もれていたその人物が次第に明らかになる過程がとてもスリリングでまた、美しい文章で引き込まれます。そして紀州藩士の娘として生まれた竹本福が「オーストリア国ボヘミア帝国人」ホラ夫人として逞しくワカとチャーリーの二人の子をそして孫カレルを育て、1965年に85歳で祖国に還ることなく人生を終わるまで、少し寂しいですが明るく生きた一人の女性に感動するとともに、その人を情熱によって探し出した著者にも脱帽。そして20世紀のチェコの変転が描かれ興味深い好著です。
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1886−1965 1906年大阪ガスの技師として招かれたチェコ出身のホラと結婚。1917年一家でボヘミアへ。
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