三国志(十の巻) の商品レビュー
曹操、病によって死す。 張飛、暗殺によって死す。 英雄の死といえども、呆気ない。 劉備と張飛は、亡き関羽の弔い合戦を目論んでおり、 実行に移す直前だった。 呉が嫌われるのは、多分に裏切りと暗殺という 暗い一面を隠せなかったがゆえかもしれない。 しかし、国家を維持していくた...
曹操、病によって死す。 張飛、暗殺によって死す。 英雄の死といえども、呆気ない。 劉備と張飛は、亡き関羽の弔い合戦を目論んでおり、 実行に移す直前だった。 呉が嫌われるのは、多分に裏切りと暗殺という 暗い一面を隠せなかったがゆえかもしれない。 しかし、国家を維持していくためには、 それぐらいの汚い手段は必要とされるとも思う。 むしろ劉備軍の在り方に不安を覚えた。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
曹操がついに死んだ。天下統一の夢半ばではありながら、ここまでの物語では圧倒的な覇王だった。曹操は病に倒れる以前から身体的な老いよりも、戦に対しての構え方や気持ちの変化などの精神的な老いを自らが最も敏感に感じ取っていた。そのためか、病に倒れてからもその状況を自身が最も素直に受け入れ、最期まで声が出る限り、伝えるべきことを伝えている姿が印象的だった。一方蜀では劉備と張飛が孫権討伐のため、激しい調練を重ねる。もはや孫権討伐は蜀の主としてや、戦略など関係なく、兄弟を殺されたことへの復讐の気持ちだけだ。張飛だけで孫権を討伐することを頑なに拒み、自身も共に敵を討つと言い張る劉備。国家の主としては無謀だが、これこそが劉備たるゆえんなのだと強く感じた。そして、待ちに待った出陣を目前にして、張飛が暗殺により死す。表向きは豪快だが、繊細な優しさを持つ姿が印象的に描かれてきた張飛らしい最期だった。
Posted by
ついに曹操と張飛が死にました。この膨大な三国志は次々に魅力的な登場人物が現れると共に、次々に死んでいく話です。それにしても曹操は主人公・劉備のライバルとして、むしろ劉備以上に取り上げられて来ましたし、張飛に至っては著者がもっとも力をつぎ込んできた登場人物です。これで1巻から生き残...
ついに曹操と張飛が死にました。この膨大な三国志は次々に魅力的な登場人物が現れると共に、次々に死んでいく話です。それにしても曹操は主人公・劉備のライバルとして、むしろ劉備以上に取り上げられて来ましたし、張飛に至っては著者がもっとも力をつぎ込んできた登場人物です。これで1巻から生き残っているのは、劉備と最近ほとんど登場しなくなった洪紀くらいではないでしょうか。 それにしても曹操も張飛の死も意外でした。二人とも見事な武将であり、激戦の中での死を予想していたのですが、曹操は病でひっそりと、張飛は妻を亡くし、失意のうちの寝室での暗殺でした。 とはいえ、いよいよこの長い物語の終焉に向かい最後の登りが始まりました。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
再読。 ますます孫権が嫌いになる巻。 張飛の最後は演義で描かれたものより数倍劇的で好み。 素晴らしく魅力的キャラクターにはふさわしい最後。 それしにしても董香は本当に素晴らしい女性。 まさに理想の女性だなぁ。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
『いま死ぬわけではない。すでに、俺は死んでいた。』 という言葉がまさにしっくりくる張飛の最後でした。 関羽の最後は後悔こそなかったけど後に残していく人たちへの思いを持っていたのに対して、張飛はもう死を受け入れ切ってしまっていたなと。 だからそれほど悲しみはなかったけど(知っていたし)、やっぱり張飛は大きな存在だったんだなと思いました。喪失感は大きい。 董香はいい奥さんだったなあ。
Posted by
劉備、関羽、張飛の 三兄弟に 試練が やってくる。 漢中で 曹操と戦い、打ち破った 劉備軍は、関羽が荊州を攻略した。 しかし、そこには 軍師がなく また 裏切りが横行した。 呉軍が 同盟を破り、関羽を窮地に追い込み さらに、味方からも 裏切りがでた。 そのことで、関羽は 壮絶...
劉備、関羽、張飛の 三兄弟に 試練が やってくる。 漢中で 曹操と戦い、打ち破った 劉備軍は、関羽が荊州を攻略した。 しかし、そこには 軍師がなく また 裏切りが横行した。 呉軍が 同盟を破り、関羽を窮地に追い込み さらに、味方からも 裏切りがでた。 そのことで、関羽は 壮絶な死を遂げる。 そのことに 諸葛孔明は 衝撃を受けるが 劉備、関羽は 仇を討つために 訓練を重ねる。 呉の致死軍によって、 張飛の妻 董香は、拉致されそうになって、 抵抗し 息子とともに 殺される。 そのことで、心をなくした 張飛は 戦いにでるが 路幽に 薬殺される。 武将として あっけない死だった。 もっと、活躍してほしかった。 馬超が その意志を次ぐのだろうか。 劉備は 関羽と張飛を失う。 諸葛孔明の 飯を運んでいた 陳礼が 将軍として 張飛の跡を継いで 立派な戦いを進める。 三国志も かなり 終盤となった。
Posted by
張飛の死が自分の想像以上に衝撃でした。思えば王安が死に関羽が死に薫々が死に、張飛の大切の人の死は全て衝撃でした。初めはがさつな印象でなかなか好きになれない人物でしたが、いつしか優しさと強さを兼ね備えた張飛を好きになってました。 劉備はもう孫権の首しか見えていない。これからの蜀はど...
張飛の死が自分の想像以上に衝撃でした。思えば王安が死に関羽が死に薫々が死に、張飛の大切の人の死は全て衝撃でした。初めはがさつな印象でなかなか好きになれない人物でしたが、いつしか優しさと強さを兼ね備えた張飛を好きになってました。 劉備はもう孫権の首しか見えていない。これからの蜀はどうなるのだろうか。
Posted by
かつての英雄たちが去っていき、新しい力が台頭してくる。 その無常や悲哀、哀歓といったものが、もう「これしかない」という言葉で、鮮やかに紡がれている。まさに北方文学の真骨頂といったところ。
Posted by
関羽の死から、曹操の死、張飛の暗殺までが描かれている。曹操の跡を継いだ曹丕はなかなか陰湿な性格の持ち主で、全体的に暗い雰囲気が漂っている気がする。死にいく曹操の自己観察、本妻にしたいけど心を開いてくれない甄氏に対する仕打ち(曹丕曰く、心を攻める)、それに伴う曹丕の心境の推移を読ん...
関羽の死から、曹操の死、張飛の暗殺までが描かれている。曹操の跡を継いだ曹丕はなかなか陰湿な性格の持ち主で、全体的に暗い雰囲気が漂っている気がする。死にいく曹操の自己観察、本妻にしたいけど心を開いてくれない甄氏に対する仕打ち(曹丕曰く、心を攻める)、それに伴う曹丕の心境の推移を読んでいると気が滅入るかも(笑)諜略や「手を汚す」ということが何なのかを存分に味わえる一冊。また、曹操がいなくなったことで司馬懿が暗躍し始める。
Posted by
関羽の死で裏切った呉への復讐を決意する劉備と張飛。激烈な調練をして復讐戦へ備えるが…。出陣直前に張飛も暗殺される。恐るべしは呉の執念。周瑜の執念か。そして乱世の奸雄曹操もついに死去。なんか時代が変わっていくのってむなしいな。
Posted by