日本の建国史 の商品レビュー

南原次男(著者)

2018/10/02

著者の南原次男氏は1918年生まれだそうで、この著書が2002年に刊行されたので、83才か84才の時の著書というのが、まずすごいことですね。
南原氏は在野の日本古代史研究家。会社経営から引退後に本格的に研究を始めたようですが、アマチュア研究家のおじいちゃんが書いた本だとなめてかかると、内容の熱さにやられます。著者略歴によると、南原氏は陸軍士官学校卒、大東亜戦争従軍、元皇族で大東亜戦争時は陸軍中将だった賀陽恒憲氏関係会社の役員、自衛隊幕僚勤務。そうした経歴の影響なのか、南原氏の古代史は古代戦争史ともいうべきもので、中国・朝鮮の文献と比較しながら綴られる南原氏の古代史は、戦争の歴史。神話のような記紀の世界が、南原氏の手にかかると、生々しい戦争の歴史となりますが、これが非常に面白い。学校の歴史の授業で習うのとは違った古代日本の姿が見えてきましたよ。