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サヨナラ、学校化社会 の商品レビュー

4.1

20件のお客様レビュー

  1. 5つ

    7

  2. 4つ

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2011/10/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

すーーーーっごい、血となり肉となった本。 どこかの本で『極端に示すことで見えてくるときがある』と書いてあったけど、上野さんはそれを体現してくれてる人で、新しいなにかを生み出すために、あえて極端に言ったり挑発したりして、世の中とか自分とか相手とか聞き手を前に進ませようとしてるところがあるように思う。 あとサービス精神がすごい。本ひとつにしても講演ひとつにしても、「お客様の大切なお金を頂いたからには、それなり、それ以上ものを持って帰っていただきます」というところがとても好き。 内容は、学ぶってことはどういうことか、働くってどういうことか。欠陥だらけの学校教育についてとか、偏差値は親の収入と結びついているという研究結果とか、偏差値が高くても『知のグルメ』でしかなく情報を産み出す能力がない人が多いとか、日本の頭のいいということは相手に都合の良い人になれる人だということなど。 今までとこれからの自分の『学ぶ』こと『働く』ことについての、視野を思いきり広げてくれた本。借りた本だけど絶対買う!は〜学生の時にでもこの本に出会っていれば、慌てて勉強したのにな〜。

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2010/12/19

テレビでも雑誌でも、とにかく僕は「ランキングもの」が苦手なのだ。星座占いの運勢のランキング、抱かれたい男ランキング、好きな歌ランキング、うまいラーメン屋ランキング、大学の偏差値ランキング…。うう、書いているだけで辟易だ。 なんだか世の中、いたるところでおかしな序列化(階層化)が...

テレビでも雑誌でも、とにかく僕は「ランキングもの」が苦手なのだ。星座占いの運勢のランキング、抱かれたい男ランキング、好きな歌ランキング、うまいラーメン屋ランキング、大学の偏差値ランキング…。うう、書いているだけで辟易だ。 なんだか世の中、いたるところでおかしな序列化(階層化)が進んでいる。いったい誰が、何を基準に、どうやって(もっともらしい)序列化をしているのか。得体の知れない数字ばかりがひとり歩きをしていないだろうか。そして僕たちはそれを特に考えることもなく、鵜呑みにしてやいないだろうか。ときとして、なにやら胡散臭さを覚えてしまう僕なのである。 さて、上野先生のいう学校化社会とは、「明日のために今日の我慢をするという未来志向とガンバリズム、そして偏差値一元主義」が、学校空間から溢れ出し、広く社会にも浸透してしまっている状態を指す。学校というのは、机に向かって長い時間オッチンと座らされて、いい高校いい大学へ行くために勉強しなさいと強要される場所だ。日本が昭和の時代ならそれだけでよかったかもしれない。いい学校を出れば、いい就職ができ、終身雇用に守られて、安泰な老後を迎えられたのだから。そのためには、退屈な勉強も嫌な仕事もひたすら我慢する---。未来志向やガンバリズムが信奉されるには、当然の時代背景だったのかもしれない。 しかし、時代は大きく変わった。企業の終身雇用は崩れ、国は派遣や契約社員のように不安定な雇用形態を認め、現在の有様だ。学歴だけで人生の未来予想図を描くことも容易ではなくなった。それでも受験競争は相変わらず続いているし、企業はあらゆる場面で、成果制や能力制というもっともらしい方法で社員を「客観的に」評価するようになった。 なるほど、点数やノルマの達成具合は一見、個人を評価するのに都合がいいのかもしれない。でも忘れてはいけない、評価をするのは自分ではなく、他人だ。他人が、誰かの作ったもっともらしい序列化によって自分を評価してくることに、自分のすべてを預けてしまうのは極めて危険だ。自分という人間は、「序列化・客観化」された数字だけで構成されているわけではないのである。 上野先生は言う。本当に自分の好きなこと・楽しいこと・気持ちいいことをするべし。ただし、好きなことはカネにはならないと心得るべし。だから好きなことをやるために、他方でカネになること、つまり他人の役に立って、カネを手に入れるスキルの一つや二つは身につけておくべし。 自分の「できること」と「好きなこと」は別物である。「できること」ばかりを追求して、自分はいったい「何が好きだったか」を、どうか忘れてしまわないように。 高校生くらいの年頃の若者に読んでもらいたい1冊。

Posted byブクログ

2010/07/06

学校とはなんなのだろう。階層の再生産を維持、低コストで全員が納得できる近代のシステム。えぐいな。。それの片棒担ぎをしてるわけだ。。う〜ん。でもそこを無視して生きてはいけないしな。

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2009/10/04

後半は僕ができれば認めたくない宮台真司のまったり生きる路線と同じ。前半の東大生論は納得。評価を気にして生きてきた。

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2009/10/04

ええことしてると思てる人が、気づかんとえげつないことしてるんが一番おそろしい。 学校しかり  警察しかり 反省なんか思いもよらんねやろね。

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2009/10/04

意見は一致した。なので特に反論・批判する理由も見つからず困る。 あえていうならば著者も教育者の視点から抜け出せないことがわかった。

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2009/10/04

日本の教育システムに対する著者の指摘は痛快です。 「子は3歳までに親の恩を返す」という言葉は印象的でした。

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2009/10/04

我々の生活の細部にまで浸透している「学校知」の是非を、丁寧に検証しています。内容が深いため読むのに時間はかかりましたが、逆に一度も飽きがくることなく読みきることができました。社会学・心理学・教育学・文化人類学等多くの人文系の学生に読んでもらいたい本です。

Posted byブクログ

2009/10/04

装丁のかわいらしさとは相反して、なぜか読みにくかった…これは私の教養不足か?  第一章が一番印象的。読んでいるうちにどんどんどんどん怒りが募ってくるような、素晴らしいものでした。  それから、私もフィールドワーク的なこととか、自分で考えるってこととか、やっておきたかったということ...

装丁のかわいらしさとは相反して、なぜか読みにくかった…これは私の教養不足か?  第一章が一番印象的。読んでいるうちにどんどんどんどん怒りが募ってくるような、素晴らしいものでした。  それから、私もフィールドワーク的なこととか、自分で考えるってこととか、やっておきたかったということ…。あぁ、もう大学卒業なのに…涙。  ここで気付いたのは、『なぜフェミニズムは没落したのか』で批判されているのとは逆に、上野千鶴子が、「大事なことは、いま、自分に何が気持ち良いかという感覚を鈍らせないことです。」と、『なぜフェミニズム・・・』の著者と同意見のことを言っているということ。やっぱまちがってんじゃん!浅読みだよ!『なぜフェミニズム…』

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2009/10/04

宮台真司が言ってる学校化現象(イリイチのあれとは違うみたい)をこの人も批判していますよ。 ま、ふーんだね

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