黄昏という名の劇場 の商品レビュー
大仰な形容を連発する時代がかった文体といい、既視感の拭えないような筋の展開と言い、昔日の怪奇幻想小説をあえて指向していることは明らか。つまりはその趣向をどう思うかで、例えば目新しさのないストーリーを挙げずらったりするのは、筋が違うと言うことだろう。粗を言うなら、むしろ作者さんにど...
大仰な形容を連発する時代がかった文体といい、既視感の拭えないような筋の展開と言い、昔日の怪奇幻想小説をあえて指向していることは明らか。つまりはその趣向をどう思うかで、例えば目新しさのないストーリーを挙げずらったりするのは、筋が違うと言うことだろう。粗を言うなら、むしろ作者さんにどこか乗り切れてない風情がのぞくことになるか。
Posted by
一時的な精神異常が来された恐ろしい一冊。幻想小説の優雅な文体で映し出された世界にはオレンジの仄暗い光が静かに覆い、目を細めてそれを眺めていると酩酊にも似た脳裏を溶かす感覚に染まる。
Posted by
「黄昏」をテーマとした、ホラー連作集。相当幻想的で、現実と虚構の境目があやふやな感じ。たしかに「黄昏」というのは、こんな感じなのか。まさに「逢う魔が時」といえる。 「鎌の館」「赤い革装の本」「憂い顔の探偵」あたりがかなりの気に入り。特に「赤い革装の本」。「何のために本を探すのか」...
「黄昏」をテーマとした、ホラー連作集。相当幻想的で、現実と虚構の境目があやふやな感じ。たしかに「黄昏」というのは、こんな感じなのか。まさに「逢う魔が時」といえる。 「鎌の館」「赤い革装の本」「憂い顔の探偵」あたりがかなりの気に入り。特に「赤い革装の本」。「何のために本を探すのか」というと、普通その答えは決まっているはずなんだけど。それを忘れてしまうと恐ろしいことになるっていうことで。ある意味「教訓」かもね。
Posted by
- 1