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漢方春秋 の商品レビュー

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2024/06/21

著者の徳留氏は鹿児島で開業し、漢方などの伝統医学を好んで実践している内科医です。 本書では、平成6年〜10年まで地元の新聞や学会誌で発表した漢方のエッセイを各季節ごとに編集されていました。 紹介されているのは日本人にも馴染み深い「生姜」「ヨモギ」「ドクダミ」などの生薬に、様々な...

著者の徳留氏は鹿児島で開業し、漢方などの伝統医学を好んで実践している内科医です。 本書では、平成6年〜10年まで地元の新聞や学会誌で発表した漢方のエッセイを各季節ごとに編集されていました。 紹介されているのは日本人にも馴染み深い「生姜」「ヨモギ」「ドクダミ」などの生薬に、様々な病態や季節の出来事などを交えながら見開きで1つのエッセイにしていました。 各季節ごとに罹患しやすい病気をわかりやすく説明し、難解な中医学の用語を色々な例えを交えながら解説されていて、あっと言う間に読めました。 病気を分類する「証」の説明、使うべき漢方薬剤の数々、その薬剤を構成する生薬の効能、それらと病との関わりなど説明は縦横無尽に及んでいて、実践に通じた者にしか書けないような臨場感があり、著者の臨床と漢方処方に対する教養の深さを垣間見るような気がしました。 特に本書の最後は、東洋医学の源流とされる新たな医学を探求していることを暗示するエッセイで結ばれていて興味深いものがありました。 専門家が読んでも参考になり、門外漢が読んでも漢方の雰囲気を知ることのできる好著だと思います。

Posted byブクログ