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オリガ・モリソヴナの反語法 の商品レビュー

4.3

26件のお客様レビュー

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2023/06/10

大きなものに目を取られて、小さなものを見逃してしまいそうになる時がある。 その人の持つ主義主張や、宗教や、さまざまなものを根拠に勝手に決めつけてしまう時がある。 でもその人たちにも同じように毎日の生活があって、愛する人がいる。それを想像し、尊重できる自分でありたい。 色々なこ...

大きなものに目を取られて、小さなものを見逃してしまいそうになる時がある。 その人の持つ主義主張や、宗教や、さまざまなものを根拠に勝手に決めつけてしまう時がある。 でもその人たちにも同じように毎日の生活があって、愛する人がいる。それを想像し、尊重できる自分でありたい。 色々なことがあるけど、その「国」で行われている政治や指導者を理解できないと思っても、その「国に暮らす人々」のことを私は絶対嫌いになれない。例にロシアがそうであるように。 全てを理解できなくても、知る努力、理解する努力は惜しまないぞ。 もっと世界を知ろう、知らなければいけないと思えた最高の一冊でした

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2022/04/20

何故この本を読み始めたのか忘れてしまった ウクライナとロシアのこの時期に スターリン時代の抑圧や悲惨さ 現在のプーチンによる様々な惨劇 全てがが重なる フルシチョフはウクライナ人ということが調べてわかった 独裁者、歴史は独裁者がもたらした現実をしっかり記録している 今後この戦争が...

何故この本を読み始めたのか忘れてしまった ウクライナとロシアのこの時期に スターリン時代の抑圧や悲惨さ 現在のプーチンによる様々な惨劇 全てがが重なる フルシチョフはウクライナ人ということが調べてわかった 独裁者、歴史は独裁者がもたらした現実をしっかり記録している 今後この戦争がどうなっていくのか モリソヴナやその周りの人々のような人を今後も生み出していくのか 何とかならないのかと強く思う この作者は今現在どう思っているのか、とごかで発表してもらいたいと思う

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2019/03/21

2019.3.21 17 とにかくよかった。ソ連の歴史があり、ソ連に行きた人々の歴史があった。罪と罰ぐらいしかロシア文学を読んだことはないが、ロシアという極寒の地の話というのは、灰色のイメージがある。その中で、オリガ・モリソヴナの持つ色彩はとてもカラフルで、それが反語法だと思った...

2019.3.21 17 とにかくよかった。ソ連の歴史があり、ソ連に行きた人々の歴史があった。罪と罰ぐらいしかロシア文学を読んだことはないが、ロシアという極寒の地の話というのは、灰色のイメージがある。その中で、オリガ・モリソヴナの持つ色彩はとてもカラフルで、それが反語法だと思った。 京大院生のオススメの本で、 「世界の物語を「歴史」と呼ぶとしたら、「文学」の役割は、歴史からこぼれ落ちるたくさんの個々の声に、寄り添い拾い上げ物語にすることだと思う。 歴史や世界を雑に見たくない。だってそこには一人一人違う誰かがいる。」 と述べているのが、その通りだと思った。 http://tenro-in.com/articles/team/22115

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2018/10/20

プラハのソビエト学校に通っていた弘世志摩が日本に帰り、血みどろの奮闘でダンサーの夢を諦め、シングル・マザーとなって、ロシア語の翻訳で生活をしていた。昔からの疑問、あの時の謎のダンスの先生だったオリガ・モリソヴナは本当は誰だったのか?その疑問を解こうとペレストロイカのロシアに向かっ...

プラハのソビエト学校に通っていた弘世志摩が日本に帰り、血みどろの奮闘でダンサーの夢を諦め、シングル・マザーとなって、ロシア語の翻訳で生活をしていた。昔からの疑問、あの時の謎のダンスの先生だったオリガ・モリソヴナは本当は誰だったのか?その疑問を解こうとペレストロイカのロシアに向かった。そこで見つけたものは、なんということでしょう!スターリン時代を生き抜いたロシア人の様子が分かる。

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2018/08/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

あまりの衝撃、憤り、そして感動。 読了後色々な感情が込み上げてくるけれど、巧く言葉にできない。 今回は『嘘つきアーニャ…』と違い「物語」となっているものの、内容の大半はやはり米原さんの体験に基づいたものだろう。 小さい頃チェコスロバキアで過ごし、ロシア語通訳の米原さんでないと描けない作品だ。 『嘘つきアーニャ…』同様リアルで苛酷で、けれどユーモアも忘れない読み応えのあるものだった。 何より舞踊教師オリガ・モリソヴナの計り知れない魅力。 教え子達が多大なる影響を受け、その人柄に夢中になるのもよく分かる。 彼女が生徒達を罵倒する時に操る反語法は、その裏側にある彼女自身が体験した辛い悲劇をカラッと吹き飛ばし、周囲の人達を励まし背中を押してくれるものだった。 今回も頁をめくる手が止まらなかった。 そして本の厚さも全く気にならなかった。

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2018/03/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

おばさんがおばさんを呼び、おばさんの謎を解き明かす井戸端小説。現代部分をフィクションのつもりで読んでしまい、色々注文をつけたくなってしまったのが最大の間違い。自伝なら仕方なし。

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2017/07/10

1960年、チェコスロバキアのソビエト学校に通っていた日本人の志摩。 その学校には、奇抜な格好をした見た目は80歳だが自称50歳の舞踏教師オリガ・モリソヴナ先生(生徒を叱る時には大袈裟に誉めるが、それは罵倒の裏返しである反語法)と、 19世紀の貴族のドレスを着た、古風なフラ...

1960年、チェコスロバキアのソビエト学校に通っていた日本人の志摩。 その学校には、奇抜な格好をした見た目は80歳だが自称50歳の舞踏教師オリガ・モリソヴナ先生(生徒を叱る時には大袈裟に誉めるが、それは罵倒の裏返しである反語法)と、 19世紀の貴族のドレスを着た、古風なフランス語を話すフランス語教師エオノーラ・ミハイロビナがいた。 年齢や言動、2人をママと呼ぶが娘とは思えないくらい歳の離れたジーナと言う女の子、そして、アルジェリアと言う言葉に異常に怯えるというような謎が2人にはあった。 日本に帰国し、ダンサーの夢に挫折、結婚・離婚を経て、ソ連邦が崩壊したロシアに2人の謎を解きに戻る志摩。 そして、その2人がスターリン政権下での、粛清や収容所送りが関係していた・・・。 ロシアの歴史と言うと、ロマノフ王朝の崩壊、ソ連とアメリカの冷戦ぐらいしか知らずにいた。 この本自体はフィクションであるが、過去にロシアでこのような事実があったことを知るきっかけになった。 参考文献をいくつか読んでみたい。

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2017/01/25

米原さんの文章は、フィギュアスケートのステップみたいだ。キュッキュッとエッジを効かせ、クルクル回転し、上半身は指の先まで気を配り、しなやかに動きながらもグイグイと風を切って進んでいく。 ロシア東欧史の知識は中学生並みの自分には厳しい部分もあったが、それでも脱落させないのは文章の...

米原さんの文章は、フィギュアスケートのステップみたいだ。キュッキュッとエッジを効かせ、クルクル回転し、上半身は指の先まで気を配り、しなやかに動きながらもグイグイと風を切って進んでいく。 ロシア東欧史の知識は中学生並みの自分には厳しい部分もあったが、それでも脱落させないのは文章の力だ。キャラの立った魅力的な登場人物、ジェットコースターのように展開するストーリー、重く辛い歴史の暗部、ハリウッドで映画化してくれたらいいのに…と思うが、欧米人が演じたのでは別物になってしまうか…。

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2014/07/31

主人公が子ども時代に通ったソビエト学校の強烈な個性の舞踊教師の過去をさぐる話。 ソビエト連邦時代も現ロシアのことはほとんど知らなかったので目を瞠る思いで読みました。 非人道的な歴史も垣間見れて勉強になります。 続きが気になってぐんぐん読めるのだけど、ロシア名前が覚えにくくて大変...

主人公が子ども時代に通ったソビエト学校の強烈な個性の舞踊教師の過去をさぐる話。 ソビエト連邦時代も現ロシアのことはほとんど知らなかったので目を瞠る思いで読みました。 非人道的な歴史も垣間見れて勉強になります。 続きが気になってぐんぐん読めるのだけど、ロシア名前が覚えにくくて大変だった。

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2014/06/16

チェコスロバキアで舞踊の老女教師が時折見せる人生の断片、子供の頃の記憶を糸口に主人公が老女の人生を紐解いていく様子に引き込まれる。 真相に迫るたびに当時の世情が浮かんでは恐ろしさと好奇心が掻き立てられる感じ。一気読み。

Posted byブクログ