カミュ『異邦人』を読む の商品レビュー

三野博司(著者)

2009/10/04

カミュ研究の第一人者である三野博司さんによる『異邦人』の解説書。第1部では原作の文章を細かく読み解き、第2部ではこれまでの批評の多面的な紹介が成されています。

とても分かりやすく書かれており、『異邦人』の魅力と謎を解決するひとつの方向性を示してくれています。この本を読んで原作を再読すると、また違った視点から深くその世界に入っていける気がします。

2009/10/04

非常によく書けている！ カミュの『異邦人』という小説に対する解説本であるが、非常によく書けていると思います。異邦人が提供するあらゆる問題に対して、あらゆる方面（心理学、精神医学、アルジェリア文学、神話、世俗間権力）から分析し、あらゆる方面の参考文献を引用します。ただ、同じような理由で一つの分析に対しての踏み込み方が若干浅いと思いました。何度も何度も繰り返されるさまざまな指摘で、本当に自分自身が探偵にでも為ったかのような気持ちで、小説を読み直すことができます。この本を読んで一気に小説に幅が感じられるように為りました。