手もちの時間 の商品レビュー

青木玉(著者)

テストの国語の問題に…

[文庫ＯＦＦ]

テストの国語の問題に出てきてそれを読んで好きになりました。

日常生活のふとした隙…

[文庫ＯＦＦ]

日常生活のふとした隙間にある情緒を書かせたら、この人に勝てる者はいない気がします。

2017/03/05

青木玉　著「手持ちの時間」１９９９．１１刊行、２００２．１１文庫化です。感性豊かな青木玉さんのエッセイが沢山収録されています。「手持ちの時間」とは、（加藤一二三さんの「あと何分」、残ってないのに「あと何分」と記録係に聞くのがが有名ですがｗ）、将棋の差し手に残っている持ち時間をいうそうです。さて、将棋指しの残り時間ではなく、一寸先も見通せない（惰性の如く生きてはいますがｗ）私たちの手持ちの時間はどれほどか、ちょっと聞いてみたい気もしますね(^-^)

2017/01/15

前から読んでみたかった青木玉さんの本を「一箱古本市」というイベントで入手。
なんというか・・・何気ない日常を、なんてうまく切り取るんだろう、美しいものの見方をするんだろう、と感じた。江戸から昭和初期の日本がもっていた粋な文化が感じられて、読んでいると背筋が伸びる気がする。そして、なんと家族の紐帯の深いことか。その親子の情愛の深さに驚く。大げさな言葉は一切ないのに、ちょっとした仕草、風景描写でそれが伝わってくる。久々に美しい文章を読んだ気がした。「美しい」というのは「見栄えがいい」とか「美辞麗句」ということではなくて、自分の中のダメなところも引き受けてあがいている、その懸命さみたいなところ＝「潔さ」なのかも知れない。