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逆説の日本史(6) の商品レビュー

3.7

25件のお客様レビュー

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2013/04/23

井沢節のさえ渡る逆説の日本史シリーズ第6巻。 この巻では、鎌倉仏教の勃興~元寇~鎌倉幕府の崩壊まで。 前回読んだのは学生時代で、あれから7年経つが 前はまったく分からなかった鎌倉仏教が案外スラスラ読めた。 井沢氏の言うように 従来の歴史学の宗教無視は酷いと思う。 自分が宗教...

井沢節のさえ渡る逆説の日本史シリーズ第6巻。 この巻では、鎌倉仏教の勃興~元寇~鎌倉幕府の崩壊まで。 前回読んだのは学生時代で、あれから7年経つが 前はまったく分からなかった鎌倉仏教が案外スラスラ読めた。 井沢氏の言うように 従来の歴史学の宗教無視は酷いと思う。 自分が宗教を信じないのは自由だが、昔の人は信じていたし、だから宗教は歴史にも大きな影響を与えた。これを忘れてはいけない。 この巻の前半を読めば宗教に関する基礎知識が身に付く。 例えば、仏教とは輪廻からの解脱を目的にしたものであり、決して他者を救済するものでは無かったが、時代は下って南無阿弥陀仏で有名な浄土宗となると、阿弥陀仏は誰をも救ってくれるという事が決められている。 このように、仏教思想の変遷を辿る上で非常に勉強になる一冊。

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2013/02/27

ご本人とその政治的主張は非常にクセがあり(マイルドに言って)、好き嫌いが別れそうですが、彼の通史は本当に面白い。「怨霊信仰+コトダマ+ケガレ忌避+和の精神」という日本人の宗教観をベースに古代史から現代までを新たな視点で考察しています。粗い・甘い箇所もあるけど掛け値なしに面白く、目...

ご本人とその政治的主張は非常にクセがあり(マイルドに言って)、好き嫌いが別れそうですが、彼の通史は本当に面白い。「怨霊信仰+コトダマ+ケガレ忌避+和の精神」という日本人の宗教観をベースに古代史から現代までを新たな視点で考察しています。粗い・甘い箇所もあるけど掛け値なしに面白く、目から鱗。考えさせられます。

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2012/06/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

チクチク作業邁進の煽りを食らって(?)、ちょっと時間がかかってしまった「逆説の日本史」読書。  ようやく第6巻を読了しました。 冒頭で KiKi は「チクチク作業邁進の煽りを食らって(?)、ちょっと時間がかかってしまった『逆説の日本史』読書。」と書いたけれど、今回の読書に時間がかかってしまったのにはそれ以外にも理由があります。  それは冒頭3章の仏教の歴史を俯瞰した部分で、ここの内容が仮に著者が言うように「表層的」であったにしても実に読み応えのある部分だったからです。  著者が歴史学会のお歴々をメッタギリにして悦に入っている感もあるこのシリーズの中で、それらのちょっと過激な(に見えなくもない)権威筋に対する攻撃性がなりをひそめ、KiKi には極めて読みやすい文体(要するに著者の自己主張の薄い文体)で要約してあり、読み飛ばす余地がほとんどなかったんですよね~。 対して後半3章は「逆説の日本史スタイル」に戻ろうと抗っている感がそこかしこに見られ、文章自体もかなり粗雑な印象を受けます。  そうであるだけに、後半3章に入って「斜め読み体制」と言うか「読み飛ばし体制」に逆戻りし、そこからは一気に読了した・・・・・そんな雰囲気がなきにしもあらず・・・・です。 元寇の話題に関しては、我々は「元寇」と呼びあたかも元国の正規軍が攻めてきたかのような印象を持ちがちなあの戦役において、元が遣わした軍団が今日で言う「多国籍軍」であり(要するに史上最強軍団そのものではなかった)というあたりがちょっぴり「へぇ!!」で、それ以外の部分はさほど目新しい話、「逆説的なアプローチ」はないのかなぁ・・・・・と。   そして後醍醐天皇の登場と同時に久々に「言霊信仰」だの「ケガレ」だのという著者の論旨の骨子たる部分が復活(笑)。  まあ、そのあたりもそういう展開になるだろうということは想像に難くもなかったりしたわけで、尚更、飛ばし読みモードに拍車がかかりました。 ここまで読み進めてきて痛切に感じるのは、ことさらに「逆説」を強調し、学会等の権威筋に喧嘩を売り、時に感情が赴くままに「自己陶酔型文章」を書く彼のスタイルにある種の「ファッション」というか「ポーズ」のようなものが漂っている・・・・・ということでしょうか。  彼の描く歴史観及び目の付け所は面白いだけにそのポーズが何となく「受け狙い」「売れ狙い」という感じがしちゃうんですよね~。 この巻の最初の3章では「へぇ、井沢元彦ってこんな文章も書ける人だったんだ」と感じただけに、ちょっと意地悪な見方かもしれないけれど、この逆説シリーズの基本基調に対してKiKi にはある種の不自然さ・・・・みたいなものがあるように思えてしまいました。   もっとも・・・・・・ 逆に言えば最初の3章に関しては「井沢元彦なりの考察が書かれているか?」と問えば、「否。  先達の教えを整理してまとめたもの」という感じもなきにしもあらず・・・・・(苦笑)  でも、「整理してまとめる」という作業にしろ、そこそこの知性と忍耐力がなければこれだけの内容のものはそう簡単には書けないんじゃないかと思わせてくれるあたりは、さすがとしか言いようがありません。 さて次は「太平記」の世界を扱う第7巻です。

Posted byブクログ

2012/05/20

宗教って元もと難しいものだと思うけどそれを一般の人に広めていく過程で受け入れやすい形に変質していく様がよく描かれていた。

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2012/03/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

この巻では前半を使って、仏教の歴史とそれが日本に入ってくる過程を解説しており、勉強になった。 目次 第1章 鎌倉以前の仏教編 第2章 浄土門の聖者たち編 第3章 道元と日蓮編 第4章 元寇と日本人編 第5章 後醍醐天皇の野望編 第6章 後醍醐天皇の新政編

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2011/12/28

後醍醐天皇の生きざまが好きで、久しぶりに「逆説~」を読んだ。まあ、このあたりは、逆説らしい部分は特にないね。

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2011/07/11

日本には独裁者はいない。 どんな独裁者も、絶頂のときに殺されている。 古くは平将門がそうであるし、後醍醐天皇や織田信長もその一人に上げられる。 一見独裁者は国を蹂躪し尽くす悪い面が目立つ。 しかし筆者は、日本はその歴史を通じて独裁者を生み出すような構造ではなかったが故に、しばしば...

日本には独裁者はいない。 どんな独裁者も、絶頂のときに殺されている。 古くは平将門がそうであるし、後醍醐天皇や織田信長もその一人に上げられる。 一見独裁者は国を蹂躪し尽くす悪い面が目立つ。 しかし筆者は、日本はその歴史を通じて独裁者を生み出すような構造ではなかったが故に、しばしば醜い責任のなすりつけあいが勃発していると指摘する。言うまでもなく、第二次世界大戦を巡る一連の議論がそうである。得体の知れない“軍部”が、世論をいいように動かし、人々を洗脳し、戦争へと突き進んだ挙句、戦後には“一億総懺悔”を求める。 それは目下進行中の問題、つまり東京電力と政府、そして原発を巡る問題でも現われている。 原発を推し進め、安全神話を広めたのは誰なのか。それを曖昧にしたままで、節電を強い、また“使っている我々にも責任がある”と、責任の分担を求める。 我々は1000年の昔から、何も変わっていないのだ。

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2011/11/06

鎌倉仏教と元寇の謎 ・鎌倉新仏教の展開Ⅰ  鎌倉以前の仏教編―日本における仏教伝来の特殊性 ・鎌倉新仏教の展開Ⅱ  浄土門の聖者たち編―平安後期に流行した「極楽浄土」侵攻 ・鎌倉新仏教の展開Ⅲ  道元と日蓮編―昭和のファシストが心酔した「日蓮サイクル」の虚 と実 ・元寇と日本人...

鎌倉仏教と元寇の謎 ・鎌倉新仏教の展開Ⅰ  鎌倉以前の仏教編―日本における仏教伝来の特殊性 ・鎌倉新仏教の展開Ⅱ  浄土門の聖者たち編―平安後期に流行した「極楽浄土」侵攻 ・鎌倉新仏教の展開Ⅲ  道元と日蓮編―昭和のファシストが心酔した「日蓮サイクル」の虚 と実 ・元寇と日本人編―危機管理なき防衛意識を決定付けた  ”勝利体験” ・鎌倉幕府の滅亡Ⅰ  後醍醐天皇の野望編―「河内の土豪」楠木正成を結び付けた朱子 学思想 ・鎌倉幕府の滅亡Ⅱ  後醍醐天皇の新政編―権力と責任を分散させる伝統的システム 原始仏教と大乗仏教の違い ・原始仏教  目的:個人の救済  手段:自力による修行  教典:法句経、阿含経など釈迦自身の言葉 ・大乗仏教  目的:大衆の救済  手段:如来への信仰  教典:法華経、阿弥陀経など、後世作られた経 鎌倉幕府勢力が衰退した経過 兄弟の均等相続により、所領が細分化 →経営効率が落ちるが幕府への義務(大番役など)は果たさねばならない。 →借金をするが返せず土地を奪われる →無足人となる →徳政令で借金棒引き →それでも経営効率は悪いままなのでまた借金 この繰り返しで、元寇の軍役負担もこれに拍車をかけた

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2010/12/31

・12/31 ようやく読了.長かった.なんとか年内には読了できた.当初鎌倉仏教の話しは馴染み深くて面白かったが、結構難しかった.ただ仏教の知識だけではすべてを理解できないため、神道や儒教についても深く勉強をしておく必要を強く感じた.

Posted byブクログ

2010/07/04

鎌倉仏教史と元寇。鎌倉仏教って教科書で習ったのは、「一遍=時宗」「日蓮=日蓮宗」みたいな単純な暗記モノだった。コレに比べ、井沢氏の宗教概略は非常に理解しやすい。

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